にごり酒の夜2008-03-06 00:00

昼間は組織言語を使い、情動のない会話が続く。深夜音楽を聴きながら、パソコンに向かいブログを書く。今日の1日、初めてほんとの言葉を発するような錯覚に囚われる。

ブログを書きながら一杯のにごり酒を飲む。いまお気に入りのにごり酒は立山酒造「銀嶺立山にごり酒」。上澄みだけだとキリッとした味、もろみと溶け合わせるとマッタリとした味になる。

フィッツジェラルドの短編小説を2冊読み終えた。
村上春樹版の最後のインタビューではアルコール依存症特有の症状がフィッツジェラルドには垣間見られる。アルコール依存症になると断酒することが人生の目的になり、それ以上はなにもできなくなってしまう傾向がある。
繁栄と退廃、誇大妄想と打ち捨てられたような憂愁、雪に閉ざされたような孤立した精神と光注ぐ緩やかな心の動き。フィツジェラルドはそれらを行き交いながら、酒に溺れていったのだろうか。

最近、ふと気づくとひとりでいることが多い。充分に年をとったのに17歳のころの自分に戻ったような奇妙な感覚。

とても好きな光景がある。ロードバイクを走らせていると、前輪がアスファルトの道を回転していく。サドルの上からそれを眺めると、どこまでも走って行けそうだ。結局私は17歳のころのように孤独に戻ったのだなと思う。偏狭な自分の性格や人の気持ちがわからないという傾向は、結局変わらなかったのだなとも思う。

でも言葉にできない思いというものもある。それらを豊かにお持ちの方に多く出会ってきた。私は孤独であろうと孤立はしていないのだろう。

2杯目のにごり酒でほろ酔いになってきた。

コメント

_ yanz ― 2008-03-06 18:31

”とても好きな光景がある。ロードバイクを走らせていると、前輪がアスファルトの道を回転していく。”
私もこの光景に心奪われた一人です.実は少し前にtumblrの方に,「自転車から眺める路上」なんていう散文をpostしたところだったので反応してしまいました.ちょっとした偶然ですね.ここ二,三日中に,seesaaの方にもpostする予定です.

_ asyuu>yanzさん ― 2008-03-07 23:41

こんばんは、yanzさん。
tumblrの方のyanzさんの文章を思い起こしながら、今日は奈良の道を走っていました。
yanzさんは自転車通勤されているんですね。
私は距離が往復40Kmと長いこと
お酒が飲めなくなること
併走する車がストレスになるだろう
ということで自転車通勤には躊躇しています。
ちょっとyanzさんが、羨ましいです。

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