ヒトリスト、枡野浩一「淋しいのはお前だけじゃな」を読む ― 2008-03-25 23:18
今日で2年間に渡る仕事の計画が一応終了した。トラブルもなくひと安心。ヒトリスト(独りでロードバイクに乗ったり、山に登ったり、お酒を飲んだりすることが多い人)なので、そんな本を読んでみた。
淋しいのはお前だけじゃな
枡野浩一さんの短歌&エッセイ。ヒトリストとして、疲れた夜には、この本はいいなぁ。
枡野さんの青年時代(ちょっと根暗で冷笑的ででも純粋?)が垣間見られて、「うんうん(自分にも)そんなこともあったよな」と過同調したりもする。
「毎日のように手紙は来るけれどあなた以外からの人である」
現在なら「手紙」が「メール」ってことになるのかな。でも私はメールも来ないけど・・・・。
「じゃぁまたって言いかけてから切れたからまたかけちゃった ゴメンじゃあまた」
メールも携帯電話もない時代、家族に知られたくない電話は公衆電話からかけた。長電話しているのに、肝心なことは相手に伝えることができない。そもそも肝心なコトが何なのかも漠然としていた。相手の「もう遅いから・・・」という言葉ともにあわてて電話を切る、肝心なコトも次の約束もせずに・・・。
「いつの日か疎遠になろう俺たちも 小夜楢岳の人生の中」
最初意味がわからなかったが 小夜楢岳(さよならだけ)ってことか。愛も友情も永遠に続くというのはたぶん幻想なんだろう。だからこそ「今という時」がときおり愛おしくもなる。
あとがきもおもしろい。
「恋は間違っている。と言ったのは松尾スズキだ。実際そのとおりだろう。恋する男女はしらふではない。だから、しらふに戻ったとき思い返すと恥ずかしい。忘れてしまいたい。だけど忘れないでいようと、思ったのです」(同書131頁)
心神耗弱状態にならないと恋愛はできませぬ。
松尾スズキ監督作
の映画もこの観点から見るとある意味腑に落ちるかも。
さて明日はヒトリストとしてまたまたロードバイクで走ってくる予定。ふふふ、明日・明後日と休みを入れちゃいました。たぶんロードバイクに対しては心神耗弱状態です。
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