東京出張と「銀輪に花束を」2010-12-22 22:15

東京出張から帰って参りました。

昨日は午前5時15分起床、午前7時発の新幹線に乗って東京へ。
サドルの上に10時間以上いても平気だけど、電車や飛行機に乗るのはあまり好きじゃない。霧が深かったが、関ヶ原を通過するときに霧が取り払われ伊吹山をくっきりと望むことができる。
伊吹山

来年の4月には、この伊吹山ドライブウェイをタラタラとロードバイクで上っていることでしょう。
この調子だと富士山も眺めることができるなと思っていたが、名古屋を通過して気づくと新横浜・・・。爆睡しておりました。


仕事を終えて、半蔵門のホテルに投宿して忘れないうちに仕事のメモ書きをします。
まるで勤勉なサラリーマンみたいです、わたくし(爆

雨が降り始めたので近場で夕食をとって、コンビニでビールやおつまみを買い込んでホテルで読書。
銀輪に花束を (小学館文庫)
斎藤純さんのロードバイク短篇小説集。半蔵門の書店で購入して、ビールを飲みながら読み進めていく。
読みやすい短篇なので2回通読。感傷的な文体が続くけど、ロードバイクに乗り始めると感傷的な人はよりその傾向が強くなるのかもしれない。私もその傾向がある。

気に入ったところを勝手にいくつかピックアップ。


彼は一人で何かをすることがまったく苦にならなかった。ロードバイクで走るときも、「一人では走れない」あるいは「走ろうという気にならない」という仲間が少なくない中で、彼は一人で黙々と走った。
ーーー中略ーーー
そして、彼はいつか学んでいた。孤独を癒してくれるのは、孤独でしかないことを。

(同書47頁)

物心着いた頃から、ほとんど友人がなく、社交的でないので和して楽しむということがほとんどなかった。そんな性格が大人になって変わるわけでもない。
時折、ゾッとするほど鉄錆の匂いのする孤独を感じることはあるけど、それを別のもので埋めようとは思わない。
山やロードバイクと出会って、どっかで生きる力を与えられているような気がする。

彼は自分のロードバイクの性能には満足している。残る問題は「俺にある」と認めている。ロードバイクは乗り手の実力と相応の力しか発揮しない。
(同書48頁)
身も蓋もないけど、事実でしょう(笑 
私も、いまさらトライアスリートにはなれない。
そういえばアスリートの次男が「村上春樹のマラソン本読んだけど、走るときにあんなことは考えていないな。いかに早くこの時間を乗り切るかだけ考えている」と話していた。ダイレクトに身体とリンクするトレイルランやマラソンが魅力的なのは、若者の特権だろう。

ロードバイクの走行感覚は不思議なほど飛翔感を伴う。ことに坂道を下っているときはその感覚が強まる。
その飛翔感にも懐かしさをしばしば感じる。
当然ながら、私は鳥のように自分の力で飛んだことはない。それなのに、遙か昔に飛んでいたときの感覚として懐かしく感じられる。

(同書185頁)
ロードバイクでスピードを上げると路面上でゴーッとホイールから低音を発するのも好きです、わたし。それと草むらから飛び出した鳥と平行して走っているときに、飛翔感を感じますね。

人生や仕事に疲れたとき、読み返しそうな短篇集です(苦笑


今日は仕事を終えて、新幹線で帰宅。途中、富士山が雪を戴いている。
そのあと爆睡して、夕暮れの伊吹山を眺めることができなかった。

それにしても今日の東京は汗ばむほどの暖かさで、冬至だと忘れるほどでした。

帰阪後、阪急地下の「土佐料理・司」で鰹のタタキなどで夕食(今日は家族はみな外食の日)。以前より本格的な土佐料理になっているような気がする。

明日は軽くロードバイクで走ろう。



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