「嫌われ松子の一生」を観る2006-06-15 22:01

前評判は、前作「下妻物語」と較べると、「暗い!」という感想もあったようだ。 確かに、「嫌われ松子」は文字通りの「転落人生」を歩んでいく。
不幸は個性的に見えて、実は凡庸なものかもしれない。松子が学校の教師から転落していく様は、誰にでも生じうる「ボタンの掛け違い」「悪い方ばかり選択する性癖」によるものかもしれない。

この「転落人生」を、1970年代のアートシアター系の映画ならば、「個と大衆社会との対立」とか「近代的家族の束縛」とかという陰鬱なストーリーにしただろう。 だが、中島哲也監督は違う。コンピュータグラフィックスを多用し、松子と同時代の音楽もちりばめながら、松子の愚かさと一途さをテンポよく描いていく。

コンピュータグラフィックスが描く満点の星の下にいる松子。「不幸に刻印された人生」のなんと哀れで、美しいことか。
出演者も、まさしく多士済々。うっかりと見過ごしているシーンも多そうなので、もう1回、見る予定です。

原作の小説は、不幸さがリアルすぎて、読むのにはちょっとしんどいかも・・・。
嫌われ松子の一生 (上) 嫌われ松子の一生 (下) 『嫌われ松子の一生』オフィシャル・ブック

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_ woody経済新聞 - 2006-06-16 09:21

 嫌われ松子の一生
 千葉県の日ということで学生が800円だった15日。レイトショーが組まれていないこの作品を見に行った。いやートリッキーだね。トリッキー。主人公も『下妻』よりトリッキーだった。兎も角、この主人公が中学教師を解雇されるに至った経緯も凄い。旅館のお金がなくなった→どうやら松子のクラスの生徒らしい→そして担任の松子が問いただすと、ここまではいいがこの後、その生徒はお金を盗んでないと主張→生徒が出て行った後、松子はとんでもない行動にでる→旅館には生徒の代わりにお金を自分が返しに行き、そのお金は自分→はて、足りない。他の先生の財布から拝借→旅館から肝心の生徒を出せといわれ、松子がとった行動は
 『すみません、私が盗りました』
 ここまでのエピソードで、主人公が後先考えず行動する人間だということが判明する。しかも、このセリフが「早くこの場をしのいで、お風呂に入りたい」という理由からというのが驚きである。このあと結局解雇され、転落の人生を歩むわけであるだが、この冒頭のシーンでそれはもう暗示されていた。
 自分は、ハッキリいってこの主人公を理解できません。理解もしたくないし、周りにいたらかかわりたくないと思う。しかし、この映画自体にはひきつけられた。もっともこの映画を見に行ったのは『下妻』を実際に見に行き、大変面白かったから。『下妻』は何度見ても面白い。で、『松子』はもうこれっきりでいい。つまらなかった訳じゃないけど、後味が悪い。後半くらいになってくると、内容を考えすぎて頭痛がしてきた。『下妻』のようにサクッと見られる作品ではない。しかし、音楽や視覚効果は『下妻』を超えている。そういうエンターテイメント性でみるとこの作品は非常にいい。自分のお勧めは、黒沢あすか演じる沢村社長が、瑛太演じる笙に自分の新作AV3作と接吻を与えるシーン。

_ GiRLSGATE --エンターテイメントBlog-- - 2006-06-16 14:20

泣きました。しくしく泣く映画です。せつない。
松子の気持ちが痛いほどわかって、自分と重ねて泣きました。
どこかが似てる。とっても似てる。
原作は重過ぎるから読まないほうがいいといわれたので、
映画だけ。
見終わったとサントラ購入したのはタイタニック以

_ soramove - 2006-06-24 20:01

「嫌われ松子の一生」★★★★オススメ
中谷美紀、瑛太、伊勢谷友介主演
中島哲也監督、2006年

リアルを排除し、劇画タッチで夢のような作品。

悪趣味に近い表現が随所に散りばめられて、
「これは映画じゃない」と
正統派の心の声が叫ぶが、
「一人になるより...

_   - 2006-06-25 15:06

「嫌われ松子」と言うくらいだからどれだけ性格悪いんだろうと思っていたのですが、それほど嫌われてるワケでもなく、どっちかって言うと「あわれな松子」ってカンジでした。ミュージカル仕立てというコトもありテンポが良く、ところどころウケ狙いもあり、とても見やすいと思います。後半が少し長く感じたせいか、見終わった直後の評価はあまり良くなかったハズなのに、気が付けば「曲〜げて〜のばして〜♪」と口ずさんでいました(笑)
[:URL:] 『嫌われ松子の一生』

_ 文学な?ブログ - 2006-07-02 10:30

やるせない思いで最終頁を閉じました。些細なことに何度も自分を見失い、流され、それでも死より生きることを選んできた松子。その人生の終わりがこれではあまりに辛すぎます。

体の弱い妹に父の愛情を奪われ、父の希望をかなえようとなった教師の職を追われ、失踪してあちこちを彷徨いながらも、必死に生きてゆく松子。感情に流され、積み重ねてきたものを根底から壊して、また一から、というよりむしろマイナスから人生を何度も繰り返します。

偶然のように起こる事件に翻弄される松子を見ていると、なんでもっと機用に生きられないんだろうともどかしくなります。しかし、読み終えて気づいたことは、誰もが松子になる可能性があるのだということでした。私が松子の立場だったら、もっと酷いことになっているかもしれません。これほど強く生きてゆけないかもしれません。

そう思うと、「嫌われ松子」がとても愛おしい存在に感じられました。不完全さこそ愛すべき人間臭さなのかもしれません。

小説「嫌われ松子の一生」は久しぶりに胸が締め付けられた作品でした。映画の方も観に行こうと思います。

_ Tokyo Sea Side - 2006-07-29 22:11

「嫌われ松子」と言うくらいだからどれだけ性格悪いんだろうと思っていたのですが、それほど嫌われてるワケでもなく、どっちかって言うと「あわれな松子」ってカンジでした。ミュージカル仕立てというコトもありテンポが良く、ところどころウケ狙いもあり、とても見やすいと思います。後半が少し長く感じたせいか、見終わった直後の評価はあまり良くなかったハズなのに、気が付けば「曲〜げて〜のばして〜♪」と口ずさんでいました(笑)
[:URL:] 『嫌われ松子の一生』

_ 噂の情報屋 - 2006-08-30 01:17

山田宗樹の小説を「下妻物語」の中島哲也監督が映画化した 奇想天外な女の一生物語。 転落の一途を辿る壮絶なヒロイン川尻松子の人生を多彩な映像表現を駆使して カラフルかつポップに描いています。 教師をクビになり殺人まで犯してしまう川尻松子に中谷美紀が扮し、 転落..

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