豊田徹也「珈琲時間」 ― 2010-01-07 20:59
正月休み後、仕事ばっかりで気づくと木曜ではないか。今日は日中は雨も降ったようで路面が濡れており、寒さがしみる日だった。
書店をブラブラしていると、こんなコミックに目が止まった。
豊田徹也さん、初めて読む漫画家だけど、読み始めるとグングンその世界に惹かれていく。
「コーヒーがあるだけで、世界はこんなに美しい。コーヒーをモチーフにした芳醇な短篇集」
と帯には紹介されているが、もっと洒脱でブラックユーモアもありそしてカッコもいい短篇集だ。珈琲は脇役っぽい話も多いけど。
誰かのコミックに似ているなと読み進めていると、黒田硫黄とちょっと似ている。人物の描き方とか、ストーリー展開とか。
で作者の豊田さん、ロードバイクを描いたらうまいだろうなぁと勝手に想像していると、第11話きりんでロードバイク乗りが現れる。これがキッチリとロードバイク乗りを描いている。すごいぞ、豊田さん。
とにかくこのコミックを読むと珈琲をますます飲みたくなる。珈琲中毒には罪なコミックです。出てくる男女もみな個性的で魅力的だし。男は適度にヲタクだったりヘタレだったりかっこよかったり、女は毅然としたり気まぐれだったりいじらしかったり。
で帯に前作「アンダーカレント」も紹介されているので、速攻読んでみた。
「呆然とする女と無口な男の深く静かな物語。映画一本よりなお深い、至福の漫画体験を約束します。」
というのは誇大広告じゃない。村上春樹の短編と共通する静けさや孤独さ人間のいい加減さと愛おしさが、濃密に描かれている感じ。
ロードバイクに乗り始めてますます独りの時間が多くなり、人とのつきあいも悪くなり、
自分の時間は本を読むかロードバイクに乗ることが多い。
でも美味しい珈琲とロードバイクの時間は、ツマらないこの世界にちょっと彩りを与えてくれるよな気がするんだなぁ。
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