有川浩「フリーター、家を買う」を読む ― 2009-09-08 23:17
有川浩の最新小説を読了。有川さんの作品群は「自衛隊もの」「図書館戦争シリーズ」「ラブコメもの」と多種に渡るが,この作品は
にある短篇「ストーリー・セラー」と相通じるものがある。
二流私立大学卒の主人公誠一は、入社後の精神主義めいた研修に早々と嫌気がさして、3ヶ月で退社。以後、フリーターとして目標のない生活を送るが、母が重度の鬱病となり、いままで気づかなかった家庭の綻びを知ることになる。
鬱病の状況がリアルに描かれていて、ラブコメシリーズの有川作品とは少し毛色が違う。
父の誠治も、論理だけで物事を考え、現実の困難からは逃避してしまうダメ男。まぁ、有川作品に出てくるダメ男は、かなり私たち男のだらしなさを的確に表現しているんですけどね(笑
母の理解者である姉が「男前の女性」として描かれているが、啖呵を切るシーンは女性の腹の座ったところを十分に味わえます。
誠一は、縁あって土木現場の小さな会社に就職して「鶏口となるも、牛後となるなかれ」の精神を貫いていく。
家族の諍い、そして家族ならではの失望と期待。有川作品はそこを描くのがうまい。
ラブコメシリーズとは違うスピード感ある有川作品を堪能しました。
で次は
を読む予定。
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_ じゅずじの旦那 - 2009-09-17 18:19
「母さん死ぬな―」へなちょこ25歳がいざ一念発起!? まずは来訪記念のポチッ[:ひらめき:] [:next:] blogRanking[:右斜め上:]【あらすじ】崩壊しかかった家族の再生と「カッコ悪すぎな俺」の成長を描く、勇気と希望の結晶―― 商社勤務「経理の鬼」の父が原因で、重度の鬱病に罹った母。入社三カ月で会社が嫌になって退社しブラブラしていた25歳の俺が、名古屋の病院に嫁いだ姉にどつかれて、ある日、ふと目覚めた。もしかして、俺カッコ悪すぎ??そこからへなちょこ若者の成長が始まる。崩壊しかかった家族の再生と、主人公の成長過程を優しく描く、家族愛と希望に満ちた一冊。ダメダメな息子、こんなヤツを主役においていいの、有川さん物語はものすごく暗いし やり甲斐とか、本当にやりたい仕事とか、言ってる場合じゃないし! 自意識だけが強い息子君を問題にしてるとおもいきや…それだけじゃなかった一流会社に勤める親父、これがまた酒癖が悪い。しかも、自分のことしか考えていない、いけ好かないヤツ。なんかどこかであったような話だなぁ 自分好きの酒飲み親父。あっ、血をひいてるものですそれにしても、キレのいい言葉がポンポンとでてくる姉。あなたには、救われますそんな状況の中、息子君が目覚める。いかに自分が甘かったかと。どんどん、読み進めるうちに元気が出てくる本。就活に悩んでいる学生諸君! お薦めの、、、ポチッ最後は、お待たせ有川節少〜しだけど、甘々健在ですよ 新卒、一切お断り。 第二新卒、フリーターのみ大歓迎! もちろん採用は正社員!今度、会社で募集する時に参考とさせていただきます m(__)mまぁ、うちの娘を含めた現役就活諸君、人生は色々だから…JUGEMテーマ:読書
_ soramove - 2009-11-22 19:54
書籍「フリーター家を買う」★★★★面白い
有川浩 著 、幻冬舎刊
2009年8月25日発行、第1刷、1470円、309ページ
→ ★映画のブログ★
どんなブログが人気なのか知りたい←
「フリーターがどうやって家を買うんだろう、
単純にそんな考えで、面白そうなので
読み始めたが、まさに一気読み、
この本の結末以降の続きがも気になる」
新卒で入社した会社の研修に嫌気がさして
3ヶ月で辞めてから、次を簡単に考えていたが
なかなか決まらず、そうこうしているうち、
母親が鬱になってしまい、
それはご近所からのイジメも関係していると分かり、
主人公は家を買うことを決断する。
そううまくはいかないだろう、
もちろんそうだ、バイト先で細かいことを注意され
だったら「辞めます」と
勘違いのプライドで結局自分で自分を追い込んでく。
引きこもり状態の主人公が
仕事をしようと思う転機になったのは
母親が鬱になり驚くほど変わってしまったことだった、
やはり人間はそうそう簡単に変われるものじゃないから
そんな劇的な何かが無いと
ずるずると深みにはまって
そして一度はまったらなかなか抜け出せないのだろうなとは
予想も出来る、本の主人公はそこから
いかに変われたか、それがこの本の見所だ。
出来すぎっていえば出来すぎだけど、
なんか力が沸いてくる、
人とのつきあい方や、自分の気持ちの持ちようとか、
よりよい方向に変われるヒントは
ホントはそこら中にあるのかも知れないが、
人間は保守的だからか
なかなか自分の守備範囲からでられないのだ。
フリーター家を買うという
ちょっと結びつかないタイトルも良い、
そして映画的なハッピーエンドって訳でもなく、
これからも自身の努力が必要なのだと
改めて気づかせてくれるあたりも
うまいなぁと思いながら本を閉じた。
面白く読めたけど深い感動とかはなかったな。
次の新作も早く読みたい。
★100点満点で75点★
soramove
★この記事が参考になったらココもクリック!よろしく(1日1回有効)←ランキング上...
有川浩 著 、幻冬舎刊
2009年8月25日発行、第1刷、1470円、309ページ
→ ★映画のブログ★
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「フリーターがどうやって家を買うんだろう、
単純にそんな考えで、面白そうなので
読み始めたが、まさに一気読み、
この本の結末以降の続きがも気になる」
新卒で入社した会社の研修に嫌気がさして
3ヶ月で辞めてから、次を簡単に考えていたが
なかなか決まらず、そうこうしているうち、
母親が鬱になってしまい、
それはご近所からのイジメも関係していると分かり、
主人公は家を買うことを決断する。
そううまくはいかないだろう、
もちろんそうだ、バイト先で細かいことを注意され
だったら「辞めます」と
勘違いのプライドで結局自分で自分を追い込んでく。
引きこもり状態の主人公が
仕事をしようと思う転機になったのは
母親が鬱になり驚くほど変わってしまったことだった、
やはり人間はそうそう簡単に変われるものじゃないから
そんな劇的な何かが無いと
ずるずると深みにはまって
そして一度はまったらなかなか抜け出せないのだろうなとは
予想も出来る、本の主人公はそこから
いかに変われたか、それがこの本の見所だ。
出来すぎっていえば出来すぎだけど、
なんか力が沸いてくる、
人とのつきあい方や、自分の気持ちの持ちようとか、
よりよい方向に変われるヒントは
ホントはそこら中にあるのかも知れないが、
人間は保守的だからか
なかなか自分の守備範囲からでられないのだ。
フリーター家を買うという
ちょっと結びつかないタイトルも良い、
そして映画的なハッピーエンドって訳でもなく、
これからも自身の努力が必要なのだと
改めて気づかせてくれるあたりも
うまいなぁと思いながら本を閉じた。
面白く読めたけど深い感動とかはなかったな。
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