「ウェブ人間論」を読む2006-12-24 02:38

ウェブ人間論

「ウェブ進化論」の梅田さんと「芥川賞作家」の平野さん。
この異質とも思える組み合わせが対談をなれ合いにしてないんだな。

読んでいるとゴツゴツした読後感を味わうことができる。互いにおもねることなくストレートに現在のNet環境への知見を披露していく。

乱暴に区別すると
・楽観主義・合理主義の梅田さんと
・懐疑主義・個人主義の平野さんという感じかな。

たとえば梅田さんはアメリカの18歳の学生が「小さいカレッジに行きたい、それは同級生250人との人間関係を自分のこれからの資産にしていきたい」ということに手放しに近く賛同している。

おそらく「集合知」というものを前提として信じているのだろう。
それに対し平野さんは「功利主義的な人間観」というものに疑問を呈している(同書53頁)。

ブログの匿名性についても梅田さんはリアリストだから次のような指摘はピンポイントで鋭い分析だ。
・ネットの魅力の感じ方は、リアルな空間での自分の恵まれ度に反比例する。(同書71頁)
・日本の場合は社会に自由度が少なくて、むしろリアルな社会のほうで仮面をかぶって生きざるを得ないという感じがある(同書76頁)。

平野さんの指摘はもっと意地悪い(苦笑
・ネットの住人がシニカルになっているつもり以上に、リアル社会の方がある意味、もっと残酷にシニカル(同書87頁)。

私が論壇系のブログ(とくにアマチュアの)をあまり好まないのは、Net上で論理を積み重ねてもあまり意味がないんじゃないかという思いがあるからだ。
ガード下飲み屋で日々おこなわれているオヤジの政治漫談・組織漫談をNetですることがよくわからない。

リアルな争いはリアルな場所ですればよいと思ってしまう。

また私たちの教養・知識欲をNetが全て満たしてくれるだろうか?
本をあまり読まずに小説を書くことができるだろうか?
Netですべてを知ったつもりになれるだろうか?

ブログは日記スタイルであれ、論壇系スタイルであれ日々更新され過去には遡らないものだ。常に前へ、常にNetとともにというのは先進的に見えて消費の日々、わかったつもりになっている日々のような気がする。

私もソーシャルブックマークを日々チェックしている。Net上の技術的なことは役立つことが多い。だがニュース系や論壇系には瑣末さを感じて仕方がない。
ここにリアルとNetの齟齬がかいま見られるような気がする。誤解を恐れずに言うと、「無駄な消費」にエネルギーを注いでいる感じだ。

そのような無駄な消費を浴び続けても、気持ちよくはならないんじゃないかな。
そんなことをいろいろ考えさせてくれる、刺激的な本です、これは。

Web Scouterでメディア影響力?を計る2006-12-24 22:22

Web Scouter 戦闘能力129って・・・
他のブログを訪問していると、サイドバーにどのようなものを置いているかをチェックしている。今日、ふと目新しいブログツールが目についた。

http://ja.webscouter.net/

「ブログのメディア影響力」を数値で表示するらしい。
GoogleのページランクやRSS購読数などで数値を表示する。

でもこれでブログをチェックすると結構丸裸状態。
そのブログの状況がよくわかる。

私の「メディア影響力」は「129」。
8,347位/16,725だって。
妄想系日記、弱小ブログとしては雑兵クラスでしょうか(笑。

しかし最近エントリーを瞬時にキャッチしている。
恐るべしNetの世界・・・。

映画「恋愛寫眞」を観る。2006-12-24 23:07

クリスマスイブ、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

曇天で雑用もあり当初のポタリング予定をとりやめ、雑用をすます。
夕方からすこし時間ができたのでBS-iで映画「恋愛寫眞」を観る。

恋愛寫眞 - Collage of Our Life -
監督は「金田一少年の事件簿」「ケイゾク」「トリック」などで知られる堤幸彦。
カメラマンを志している松田龍平が、大学時代につきあっていた広末涼子の手紙に導かれニューヨークに行く。
後半はミステリー、アクション映画めいて「恋愛映画じゃないの?」と首をかしげるシーンもある。

印象に残ったのは
次々とシネマ上に現れる写真の数々。ニューヨークの風景、人々、そして広末のポートレイト。広末さんは「静かな演技」のほうがイイですね。

この映画を観るとかなり一眼レフが欲しくなると思いますよ。

堤さんの作品としては押さえた雰囲気の映画。
でも、松田龍平が英語で自分語りをするんだけど、「中学英語」なんですよね。
あれでアメリカ人と対等に会話しているという設定はちょっとムリがある。
まあそんなことは枝葉末節なこと、松田・広末ともイキイキと演じている。

それにしてもクリスマスイブになにしてる自分。
まぁわが家は曹洞宗ですから。


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