いつか自転車旅行へ ― 2008-12-16 22:21
今日は関西地方はきりっとした気持ちのよい寒さ。あーっ、自転車に乗りたかったなぁ。
いくつか読書。
東北、信州、そしてしまなみ海道などのツーリング記録。読み終えると不思議な感覚。なんといったらいいのだろう、地道の土の匂い、海岸での海のきらめき、静かな廃村のような町並みの存在、そうしたものが紗(しゃ)がかかったように文章から眺めることができる。写実的な、スポーツ中心の自転車記録ではなく、やはり作者の感性から見たそれぞれの風土なのだろう。
いつか自転車旅行にも出かけてみたい。大きな荷物を装備したランドナーによる旅行ではない。長距離を快適に走ることのできるロードバイクの魅力を削がず、ロードバイクから眺める風景を慈しんでみたい。
「トニー滝谷」のロングバージョンが収録されているので再読中。村上春樹の小説をこれから何十回と再読するだろう。
この本の解題の中で
「トニー滝谷はもちろん架空の人物である。にもかかわらず、彼は僕の友人であり、隣人でもある」
と村上春樹は書いている。私も含めて多くの読者は、リアルな人々に対するより「トニー滝谷」という人物が紡ぐ孤独に親しい想いを抱いたのではないか。
村上春樹の小説にはなぜか京都六曜社珈琲豆が合います。深めに煎ってあるけど味わいがある。いまから読書しながら珈琲を飲みましょう。
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