ある日の読書、ロシア小説・吉田修一短篇 ― 2007-06-12 23:17
最近は平日は8時か9時頃まで会社で仕事をしている。
仕事関係でしかNetを使わないので、twitterもtumblrもない世界だ。
強迫的にNetと繋がっていなければならない歳でもない。
昼休みには昼食を簡単にすませて読書をしていることが多い。
ひさしぶりにロシア現代小説を読む。ソーネチカ(ソーニャ)という本好きの少女が、年長の芸術家の妻となり創造性をもつ夫、娘、娘の友人達に囲まれながらも、平凡であることの歴史を描ききっている。エキセントリックな人生の中に多くの平凡がある。そんな当たり前のことを感じさせる小説。夫が他界し、娘もフランスに定住し、ソーネチカは迫り来るパーキンソン病の症状のなかで再度読書の世界への沈潜していく。
ロシア小説って、気候の陰鬱さを押し返す骨太さがあるんだなとあらためて思い返したりしていた。
吉田修一の超短編集。
写真家とのコラボレーションであり、各ストーリーは極端に短い。
35歳くらいの会社員を主人公にした話。いつもスポーツが絡められてストーリーが進む。もう10代からは遠く離れ、でも年老いたとはとても言えない年齢。夜道を歩いていて、ふと花水木の匂いに気づいたときの感覚に近い読後感。ひとりの夜に、家庭や子どもや仕事からすこし離れて読むにはよい小説でしょう。
私の35歳頃もこのようなのだったろうか。
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