4畳半の社会分析2007-06-02 01:30

仕事にかまけているうちに、すでに6月に入っているぞ。
リアルな生活は当然飯の種であり、リアルな生活はブログな生活を短くさせる(苦笑。

何が時代を動かすのか―ポスト消費社会の価値観を求めて [携書]

社会分析を中心とした本を読むことはあまりしない。分析するより、実践する方がいいじゃないかと思ってしまうから。まぁ、凡百の恋愛論を語るより、ひとりを好きになればいいじゃないかと。

でも、この本はなかなかおもしろい。

社会学的なデーターではなく、著者の同時代史となっているところがあるからだろう。
70年代から始まった日本社会の変貌を、著者なりの視点で分析していく。

80年代に顕著となった欲望資本主義は、「感性」というものを重視した。
きまじめさよりも「だって私って、こういう人でしょ」とか「ーじゃないですか」という口調が象徴しているような気がする。

マスコミは国家を誹り、批判ゲーム、あるいは少数者の人権ゲームに興じてきた。
「わたしたち国民は」という主体性のない言葉で、安穏とした場所にいることができた。

でも、いまマスコミの言説を無邪気に信じている人などいないだろう。
ある程度大きな組織に属している人であれば、あるいは具体的な場面でマスコミに接した人であれば、マスコミ(新聞記者、TV関係者)がいかに情報を企業や官庁、警察に依存しているかご存じであろう。独自取材などほとんどなく「足で稼いで、自分の頭で書く」というイメージは牧歌的なものにすぎない。

著者は、運命共同体としての国家が国家としての役割を縮小し(夜警国家)、マスコミも批判対象としての国家とのゲームの終焉にあわてていると分析している。

著者なりの視点で、70年代から現在に至るまでを鳥瞰しているので総花的になっているきらいはある。でも、下記の点は同感だなと思う。

・個人の自立とは下記の3点が必要である。
1:自分が一人前の経験(社会的経験、性的経験なども含む)とスキルとをもち、自分に自信と誇りがあること
2:まわりのみなから認められ、愛情と連帯感を得ること
3:そうした自分が活躍する場が安定した場であり、本当ののものであることが保証されていること
(同書106頁)。

異性からの性的な承認、他者からの承認、社会からの承認がないと人はよりよくは生きていくことができないのではないか。

この本を読んだからといって、生きるスキルが上達するわけでも、明日から元気もりもりで生きていけるわけじゃない。
そんなことはあたりまえのことだ。

多くの社会分析は4畳半的な頭の中からしか生じていないのではないかと妄想している。だって小説を「これは現実だ」とおもって読む人はいないでしょ。社会分析というだけで、科学性を帯びることはないだろう。

などとリアルな生活からすこし外れた場所で読むといい本です。

森の写真2007-06-03 23:58

今日は文章を書く気にならないので、ひたすら森の写真を貼り付けてみる。
p1010358
tent
buna
芦生原生林 013
仕事でドライになりすぎて少し心の滓(おり)が溜まっているのかも知れない。 ぼちぼち森にも潜りたいな。

コミック「岳(ガク)」全巻購入2007-06-04 23:23

仕事で疲れたので活字を読む気がしない。

で、漫画を読むことにした。
駅前の本屋に立ち寄ると一角に「登山コーナー」がある。

おっ、コミック「岳(ガク)」があるじゃないか。

岳 (1) 岳 2 (2) 岳 3 (3) 岳 4 (4)

ちょっと話題になっていることは知っていたが、山岳漫画という、ともすれば地味になりがちな分野をどのように描いているのだろう。

1巻から4巻まで、速攻、購入。

ひさしぶりに漫画を読むなぁ。

コミック「岳(ガク)」を読む2007-06-06 23:29

ビックコミックス「岳(ガク)」1−4巻、一気に読みました。

世界の様々な山嶺を登り、山岳事故の悲惨さを身をもって知る主人公三歩(さんぽ)が山岳救助ボランティアとして日本アルプスを駆けめぐる。

三歩は超人的なクライマーとして設定されているが、キリキリした性格ではなく、山を愛している姿勢がほんとうに伝わってくる。山岳遭難者の遺体に「良く頑張った」と話しかける三歩。各ストーリーも、おもわず泣けてくるような話が多い。山岳事故の描き方はかなりリアルだけれど、山を愛し、そしてほんわかした三歩の性格が各ストーリーを悲惨な物語にしていない。

私はクライマーでもピークハンター(頂上征服派)でもなく、人のいない森にテント泊したい低山徘徊派だ。山に高低はあっても貴賤はない。

このコミックを読むと猛烈に山に行きたくなる。

ひさしぶりに比良山系のお気に入りの場所でテント泊をしようか。

阿部真大がおもしろい2007-06-08 23:15

搾取される若者たち―バイク便ライダーは見た!

いまさらながらにこの本を読んでみた。
不安定要素のある職域でワーカーホリックになる若者を、バイク便ライダーとして1年間働いた経験から書き起こしたもの。

正直、そこまで単純化できるかな?という思いもある。

しかし「13歳のハローワーク」に対する批判や、読みやすい文章はなかなかのもの。

働きすぎる若者たち―「自分探し」の果てに 2作目のこちらのほうが力作であろう。

論理の流れは荒削りだけど、思考は荒削りな方がおもしろい。

注目の若手社会学徒です。

ブログツールあれこれ(放置編)2007-06-09 21:08

放置していたブログパーツをちょっと整理していた。

■about me
自己紹介ツール。iddyがシンプルなので活用していない。


■Wink the people search engine
英語圏のサービスなので放置気味。



■ex.plode
MyBlogLogの対抗馬ということでアカウント取得したが,またまた放置。

■swicki
Lijitのほうが使いやすい(管理しなくて良い)ので、これも放置気味。
check out the asyuu swicki at eurekster.com

シンプル、設定をあまり肩肘張らずにしなくてよいツールがこれからは主流になるのだろうか。

その点からすると、twitter,tumblrはやはり秀逸ですね。

夏の庭、喜多ギャラリーにて2007-06-11 23:03

入梅間近の雰囲気になってきました。
夏は大好きな季節なので、夏草や夏の庭が好きだ。

昨日、ハイキングがてら友人に教えてもらった「喜多ギャラリー」を訪ねた。
奈良・大和郡山市、旧家の並ぶ町並みの一角にしずかに佇むようなギャラリー。うかうかしていると気づかずに通り過ぎてしまいそうだ。

in to Kita gallery

entrance of Kita gallery
庭にはいるとすこし奇抜な玄関が私たちを迎えてくれる。

このギャラリーは旧家の土蔵をギャラリー用に改装したもの。

Kita gallery

作品と一体化したような壁・梁の雰囲気が好ましい。

garden  at KIta gallery

作品を拝見したのち庭に出ると、高知の少年時代を思い出す。
夏草を眺めながら縁側でうたた寝していた少年のじぶん。ふと今日読んだ小説のストーリーを反芻している。

なるべく美しいもの、美しい言葉だけを見ていきたい。


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