「賃貸宇宙」という魅力的な世界 ― 2006-01-08 17:50
思わず書店で、魅せられてしまった。
TOKYO,KYOTO、OSAKAなどの賃貸住宅に住む人々の部屋を写した写真集。
シンプルだけど品のよい家具、整理された書架、Macが鎮座するといったデザイナーズブックではない。
学生やフリーター、風俗嬢などのどちらかというと下流的というレッテル付けされそうな人々の部屋。とにかく乱雑。若い女性の部屋がきれいなどという盲信は、みごとに砕かれる。
でも、これがいいんだなー。
住む人々の個性が現れていて、おもわず友達になってこんな部屋でいっしょにお酒を飲みたくなってしまう。乱雑な部屋だけど、でも、汚いとは思わないなぁ。婦人雑誌のカタログのような部屋より、ずっと人の息吹が感じられる。
ファンシーケースやカセットコンロなどの説明もある。関西の学生がなぜ自宅から大学に通学するのかの経済的理由(関東との保証金との相違)なども描かれている。
文庫本と、侮るなかれ、上下で3,400円、厚い本。
パラパラとめくっていると、なんか魅入られてくる。
(上)では、その部屋の住人の女性やカップルが幻影みたいにヌードになっている写真が多い。これもなんかよい意味でのエロチシズムがあって、よろしい。
いつか彼・彼女らも、歳とともにちがうライフスタイルをとるかもしれない。
でも、この写真集には、いまでないと切りとることができないものがある。
もし、わたしの賃貸宇宙があるとすれば、
わたしの理想は、4畳半の部屋に、本とベッドとパソコンの配線に囲まれて生きることです。てへ。
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