淀川ウオーキングと19歳の自分2006-03-05 23:38

淀川には多くの橋がかかる。

今日の大阪は、最高気温、14.7度。3月下旬の気候で、快晴。
淀川ウオーキングをしてきた。梅田から歩いて淀川河川敷をひたすら、上流へ。枚方まで20数キロを、軽いジョギングとウオーキングで数時間。

この長い冬のために筋力がだいぶ落ちてしまったので、足慣らしのためにジョギングも取り入れた。
淀川の河川敷で行われている少年野球やサッカーも、ちょっと見学。みな、若さがあってよろしいなぁ。

春めいた天気と、川面を眺めていると、不意に19歳の頃の感覚がよみがえった。
大学受験に失敗し、家庭もゴタゴタしていた。おまけに彼女との仲もうまくいかず、やんわりと振られる始末。
日本育英会の奨学生募集の面接で、面接官のおじさん連中が「日本赤軍の活動をどう思うか?」と質問してきたので、「主義主張があってのことだと思います!」などと小生意気な返事をしていた。

根拠のない自信と未来に対する不安。春の訪れとともに、なにかしら憂愁みたいなものを感じて、よくチャリンコで川に出かけた。当時、わたしは高知にいた。高知市は東に物部川、西に仁淀川に挟まれている。 人気のない仁淀川の川面に、アホみたいに石を投げていた。

いま次男が19歳だ。彼も、進路に悩んでいる。
19歳の悩みは、たぶん稚拙なものだ。でも、50歳の悩みと、19歳の悩みに貴賤などはない。
なにかしら自分の中で、折り合いをつけるまでゆっくり悩めばよろしい。しかし、世の中のせいにするなどの「筋の悪い悩み方」をして欲しくはないなと、つい親としては思ってしまう。

いろんな妄想をしながら、京阪枚方駅へ到着。さすがに梅田まで走って帰る元気はないので、京阪電車で淀屋橋まで帰る。電車がホームに着き、座席から立とうとすると、足が動かない。むむ、ちゃんとストレッチをしなかったので、筋肉が硬直したようだ。すこしほぐして、駅の階段を駆け上り、淀屋橋から梅田まで軽くジョギング。都会の街中でザックを背負い、かなり怪しい親父スタイルだった。でも、ひさしぶりに身体が軽くなったなぁ。

柴崎友香「次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?」を読む2006-03-06 00:07

次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?

この本、読みたかったんですよ。文庫化されていたので、即、購入。
柴崎友香ワールドを満喫できる作品です。

「次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?」
わーっ、題名がとてもイイ。なんか想像力をかき立てるような題名ですもんね。

柴崎さんの作品は、「移動する」というのがモチーフなんですよね。「きょうのできごと」や「青空感傷ツアー」、そして「ショートカット」でも、車で移動したり、東京や外国に出かけたり。そして人との距離感が中心となっているような。
「自分が思う相手」と「相手が思う自分」、そこに当然、齟齬が生じる。そのもどかしさが、変わっていく空の色や、関西弁の会話の中で、次第に形となって表されていく。でも、なにか劇的な展開とか解決法が提示されるわけではない。ある意味、いつも尻切れトンボのような結末。

でも、なぜかこの無理矢理に方向を示さない柴崎ワールドを、かなり好きかも。

「次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?」は、恋人同士の男女の東京行きの車に同乗した、二人の男友達。友人の彼女に惚れてしまう彼は、写真も音楽も才能あるとまわりから認められているのにフリーターみたいなことをしている。でも、かれの苛立ちは、友人の恋人を通じて、それとなくわかるようになっているんですよね。

もうひとつの作品「エブリバディ・ラブズ・サンシャイン」は、好意を寄せていた男の子に振られて、眠り姫(一日の大半を寝ている)になった女子大生の物語。なんかぐっすり眠ってみたくなるような短編ですよ。

関西弁が、かなりストレートにでているので、読み取れない部分(とくに東京の人には)があるかもしれませんね。
でも、言葉はストレートだけど、優しい関西の女の子の特徴がよくでています。

本にまつわるどうでもいい話2006-03-06 21:47

チーム・バチスタの栄光 そんなに読んで、どうするの? --縦横無尽のブックガイド クローズド・ノート みんな一緒にバギーに乗って だから山谷はやめられねぇ―「僕」が日雇い労働者だった180日 村上龍文学的エッセイ集

上の本、アトランダムに列挙しています。共通点がわかりますか?
本の装丁が黄色地に黒の印字というスタイルのものを、挙げてみました。
たしかに黄色地に黒って、目立つスタイル。でも、最近、この手の装丁、ちょっと多すぎるような感じ。

本の楽しみは、装丁にもあるんだから、あまりにおなじような装丁はちょっと・・・という感じです。 もちろん本の中身は装丁とは、全然無関係ですから。どれも読んでみたいなぁという本ばかりです。

巨樹の森・和賀山塊、そして芦生2006-03-06 23:00

比良の明るい森

NHKスペシャルの自然特集には、力作が多い。
いままでの特集の中では「琵琶湖の里山」「中国山地のツキノワグマ」などの特集が、印象的だった。

3月5日に放映された「巨樹・生命の不思議 緑の魔境・和賀山塊」は、日本一大きいブナの四季を根気強く撮影した番組。春夏秋冬のブナの生命が、みごとなカメラワークで撮られている。

わたしは個人的には、それほど巨樹には興味がない。しかし、この和賀山塊の森の豊かさは、マタギなどの山の民が享受できたものだろう。山への畏敬を有する山の民でないとこの森には入る資格がないと思うほど、豊かな森だ。
変な林道など造らず、いつまでも森として存在して欲しい。

巨樹でなくとも、芦生の森にも、比良の森にもブナやミズナラ、芦生杉などの豊かな木々がある。新緑の森は、もうすぐだ。

芦生の森(1)桃源郷の川2006-03-08 20:06

由良川本流部の流れ

芦生(あしう)の森は、京都府にあり滋賀・福井と境を接する森。京都大学農学部が演習林として使っている森であり、そのため自然が豊富に残っている。

数年前、ひとりでテント泊のため芦生の森に入った。展望がよいわけではない。ただただ森ばかりが続く原生林だ。しかし、森に潜るという体験が、すっかり私を魅了した。毎年、8月上旬には重いザックを背負い、芦生の森に会いに行く。とくに由良川本流部分は、ちょっとした沢歩きとなり、日帰りは難しい。そのため、登山者に出会うことも少ない。

初めて芦生の森に入り、由良川本流部を歩いたとき、じぶんが夢に描いていたような川の流れに出会った。その年の夏は、空梅雨のため川の水量は少なかった。本流部分の中間地点に、その桃源郷のような流れはあった。水は澄み、たおやかでゆるやかに蛇行しながら山の斜面にそって流れている。

夏の焼け付くような日差しの中、私は、この川にどこかで出会っていたという不思議な既視感にとらわれていた。
芦生の森が、私に深く住み着いた瞬間だったと思う。

「Web2.0 Book」を読む2006-03-09 02:08

Web2.0 BOOK

梅田望夫さんの「ウエブ進化論」でも、骨格となっていたWeb2.0。そのWeb2.0をより技術的な面から解説したのがこの本。

このブログを書き始めて、いろいろなツールを使うようになった。
まずAmazonアソシエイト。これは本の紹介をする際、本の画像の著作権問題をクリアーするために利用するようになった。そしてより簡便に書籍などの紹介をするためamzletを利用している。amzletはAmazon APIを利用しているし、右サイドバーに設置しているAmazon searchも同様だ。

そしてGoogle adsense。これはもともとこのブログ内に検索機能がないので、ブログ内検索を可能にするために申し込んだもの。あとでフリー版があることを知ったが、結局、Google adsenseを使うことになった。

Google adsenseにしろAmazonアソシエイトにしろ、アフィリエイトでお金儲けしようと導入したものではない。
しかし、その便利さは痛感している。「ウエブ進化論」でいうところの「あちら側」の世界をかいま見ることができるからだ。

そして、ブログを始めて気づいたのは、Googleなどの検索とブログの親和性、そしてRSSリーダーの有用性だ。
RSSリーダーはLinux用のLiferea、そしてWeb型としてはBloglines、テクノラティを使っている。また、どのような検索語で検索エンジンからリンクを張られているかRSSでチェックするtrackword、他のサイトからリンクを張られたことをチェックできるtrack feedも利用している。

ブログを書かなければ、このようなツールを使うこともなかっただろう。

前置きが、とても長くなった。

この「Web2.0」は、オライリーの定義により、Web2.0的企業の特徴を以下のように挙げる。
1.サービス提供者である。
2.データソースをコントロールできる。
3.ユーザーの無意識な参加を促す。
4.集合知を利用する。
5.ロングテールを理解する。
6.プラットホームを選ばない。
7.リッチで軽い。
(同書28〜30頁)

そして「はてな」や「ウキペディア」、AppleのiTMSの紹介も手際よくされている。
「ウェブ進化論」と読み合わせてみると、なかなかおもしろい本だと思う。
結局、Web2.0という概念は、固定概念ではなく機能概念だということかもしれない。いまNetで起こっているさまざまな動きを、Web2.0という方向性で分析していこうというものかも。

ただ、インターネットが中間管理職を不要にするとか、パーソナルコンピュータは印刷するペーパーを職場からなくすとか、一時喧伝されたような「こちらがわ」の幻想と違い、より地に足のついた変化になっていくのではないかと思う。

ちなみにこの本の筆者小川さんは「feed path」というWebアプリケーションを開発されている。
ハイ、さっそく導入してみました。RSSリーダーとタグの設置機能をもつ。まだ使いこなせていないが、軽くて、おもしろそうなアプリケーションだ。

文系の私にもわかりやすいように注釈もあり、Web2.0を知る格好の本だと思う。

芦生の森(2)ザックを背負って2006-03-09 22:01

芦生の森に初めてテント泊したときは、3泊4日の行程だった。水は由良川そして、森から流れ落ちる水で確保できる。だが、食料・テント・着替え・ライト・ガスボンベなどを詰めると、軽量化に努めてもザックの重さは20kgほどになった。

LOWE ALPINEの80リットルのザックを背負うと、街にいるときよりは身体(からだ)が引き締まったように感じる。
ザックを膝に乗せ、回り込むように肩を入れて背負い、胸ベルト・腰ベルトを調整する。最初は、ザックの重さを身体全体に感じるのだが、森を歩いているうちに身体の一部のような感じになってくる。

由良川を遡行していて、疲れたらぞんざいに岩場にザックをおろす。
由良川源流の流れを眺めながら、やはり軽くなった自分の身体を岩の上で、すこし伸ばしてやる。

ザックも岩の上で、すこし休憩しているような風景だ。


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