「ふがいない僕は空を見た」2011-08-24 23:15

今宵は阪急電車が人身事故で遅れ、疲れたまま帰宅。

座ることができたので、ゆっくり読書はできましたけど。

窪美澄「ふがいない僕は空を見た」を読了。
ふがいない僕は空を見た
表紙と題名からは爽やかな青春小説を連想するけど
読み始めると、いきなり濃厚な性描写が登場する。

「なんだかなぁ」と思いながら、辛抱強く読み進めると連作短編がどんどん面白くなってくる。
不幸は個別的で安易には共有できない。生まれ育った環境の困難さや、自分の中にある度し難い部分。いつも正しくて、合理的で揺るぐことがない人などいないだろう。

僕らは「ふがいない僕」を抱えて、思わず悲哀に沈潜してしまうことだってある。

最初の作品には濃厚な性描写があるけど、次第に生きる佇まいを感じさせる人々。
不思議な作品です。

筆力のある作家ですね。

でもさすがにこの傾向の本ばかり読むとしんどいので

現在は
階段途中のビッグ・ノイズ (幻冬舎文庫)

この本を読書中。


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