アスリートとしての能、有川浩「空の中」読了 ― 2008-07-09 22:12
■アスリートとしての能
先日、金剛能楽堂で能鑑賞。
曲目・出演は解説 野村萬斎
能「船弁慶 白波之伝」金剛永謹。前ジテ・静御前、後ジテ・平知盛の霊、子方・源義経、ワキ・武蔵坊弁慶、ワキヅレ・随伴の郎党、アイ・船頭。
頼朝の猜疑心により西国に落ち行く義経一行。静御前の別れの舞、船旅の途上で出現する滅ぼされた平家の怨霊平知盛、船を操る船頭に狂言師野村萬斎と変化のある演目だ。
それほど能鑑賞をしていないが、シテ(主役)がなべて肥満体型なのはいかがなものか。能面からはみ出るような二重あご、ドラえもん体型、優雅というより鈍重な感がするのは私だけか。
アスリートのような禁欲さを能に求めはしないが、能楽者はちょっと身体を絞ったほうが「見られる自分」を律しているように感じる。
野村萬斎はさすがに動きも朗々とした声もよい。
■空の中 読了
有川浩は生粋のStory Tellerだ。この作品も後に「白鯨」とネーミングされる巨大な知的生命体と人間の交流が主軸となり、少年の成長物語、自衛隊女性パイロットと国産ジェット開発会社の技術者との恋が縦横に織りなされていく。
特筆なのは有川さんの出身地高知(いの町)が舞台となっているところ。仁淀川は私も子どもの頃よく遊んだし(叔父が伊野町に住んでいた)、自転車で河口までよく走った場所だ。
高校まで過ごした高知の風景や土佐弁のなつかしさ。ちょっと肩入れして読んでしまいました。
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