佐藤洋二郎「恋人」、その他とっちらかした読書2008-04-03 22:59

桜開花の夕刊記事をチェックしているasyuuです。とっちらかした読書記録。
■自転車本
はじめてのロードバイク ベーシックメンテナンス編―オールカラー
はじめてのロードバイク カスタマイズ分解・組み上げ編―オールカラー

雨の日にパラパラ読む本として購入。写真がみやすい。不器用だから結局Shopに頼んじゃうだろうけど、ロードバイクの構造を知るにはいいかも。

自転車をめぐる冒険
ふーんと読みながら読了。まったく記憶に残っていない・・・。

[趣味の教科書] 自転車でカラダとココロのシェイプアップ (趣味の教科書) (趣味の教科書)
もっと印象に残っていないのがこの本。MTBトレイルのコース案内が武田尾廃線跡とは・・・。

やはり自転車は乗ってナンボですね。

■小説など
ショーケン
正直に告白するとショーケンは大好きな俳優のひとり。さまざまなトラブル問題で休業中だが、やっぱ復活して欲しいなと思う。破滅・小心さ・孤独・御しがたい独りよがり、それらをショーケンは演じきることができるんだろうな。

恋人
「人生は孤独に耐える修練かもしれない。淋しさは突然さざ波のように心の中を走る。その波が通りすぎるのを待ち、また恐る恐る歩き出す。」

という枕帯に惹かれて読んでみた。
若い頃に出会った女性から「あなたは(希望している)小説家になれるよ」と言われた主人公は、建設作業のアルバイトをしながら小説を書いていく。建設現場の人々の人生模様、若くして父を亡くした主人公の独白、それらは高度経済成長期には個別的ではあるがありふれたものだったのだろう。

彼が感じる孤独や不幸は、具体的であるが個別的なものだ。だれもその個別性に興味などはもたない。 彼は30年前に別れた女性と、彼女が住む函館で再会するため訪れる。そこで自分の人生を回顧するというストーリー展開。端正で内省的な文章。

でも30年間、人を思い続けるコトなんてできるのだろうか。過去を消してしまうのではなく、そんな過去はなかったと自分に思いこませるのもひとつの処世だ。不幸なんて個別的なものだから。

だから主人公がひとりの女性に固執するのがもうひとつ腑に落ちない。それは彼女が「観念の恋人」だからではないか。リアルな女性はもっと残酷で、別れた男性のことなどを覚えてなどはいない(一般論として)。

30年前、彼らが旅行した琵琶湖の描写がうつくしい。ブツブツいいながらも、一気に読んだのは
「いまのわたしは生きることがしんどいということも、人生がままならないということも、十分にわかっている。思いでばかりが鮮やかによみがえってくる年齢にもなったが、その日々が決して戻ってこないということもまた知っている」と独白する主人公と同類だからだろう。

茄子 (1)

こちらで描かれる男女関係のほうがいいな。25歳の男と20歳の女が25年後に会っている。キャリアウーマンの彼女は半分世捨て人のような彼のところに熟睡のために訪れる。ほとんど会話もなく彼女は寝てばかりで、不眠を補って戦いの街へ帰っていく。ふたりでぐっすりと眠るだけという男女関係があってもいいのかもしれない。


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