石田衣良「REVERSE」高千穂遥「自転車三昧」を読む ― 2008-04-09 22:32
昨夜は30年来の友人とガッツリと食事をして、ちょっと高めのワインなどを飲んでおりました。
酔ってきたので「自転車に乗れよっ!」って勧めるけど、もうひとつ話しに乗ってこない。坂道の多い神戸で育った子は自転車にはあまり興味がないのだろうか。
ついつい酔うと好きなことを語ってしまうのは「ヲタク」の悪癖だ。
石田衣良の小説をひさしぶりに読んでみた。あざとさスレスレのストーリーのうまさは相変わらず。でも石田さんの恋愛小説、大人のおとぎ話風小説をけっこう好き。今回は大人のおとぎ話だ。
SNSで知り合った29歳の男女。メールをやりとりするが、軽い気持ちで男は女として、女は男としてメール交換を始める。魂の双子かのように二人は互いに惹かれ始める。リアルでは男勝りの女性、片やじんわりとしか愛情が湧いてこない消極的な男の子。
この小説は「男らしさ」「女らしさ」という紋切り型に異議を唱えているんだろう。やはり大切なのは個体差ではないのか。卑怯なオヤジは腐るほどいるし、ほれぼれするほど度胸の据わった女性も多くいる。男女という性差を否定することはできないが、人間として好きという面があるときは凌駕することだってあるのだろう。
相変わらず、都会の情景、そこでの人々の群像を描くのがうまい作家だ。
二人がメールの流れとしてリアルに会うことになるが互いに代役を用意する。荒唐無稽だが自然な流れでストーリーを持っていく。うまいよなぁ。
けっこう影響される単純人間なので、リアルでもある作業をしてみた。「アキハバラ@DEEP」を読んでThinkPad X20+Linuxを導入した単純人間ですからね。
自転車三昧 (生活人新書 252)
SF作家高千穂遥さんの出色の自転車本。自転車への愛がひしひしと伝わってくる。よい意味での偏頗さがステキだ。
第1章 ママチャリ生活
第2章 ポタリング生活
第3章 ロードバイク生活 思想編
第4章 ロードバイク生活 実践編
第5章 ピスト生活
第6章 乗らない生活
といった目次。
前著「自転車で痩せた人」も読んだが、自転車で健康害するんじゃない?とおもうほど入れ込んでいた。
案の定、骨折したり栄養失調になったりしていたようだ。
著者はいう
「自転車でやる運動は健康にいい。しかし、自転車競技は健康に良くない」(同書131頁)
もっともこれは著者と同じ私たち50代の人への戒めだろう。
ピストの話しやポタリングは集団でするのが楽しい、手信号などのことなど落ちついた「大人の自転車本」って気がする。ああ、週末、自転車に乗りたくなってきたぞ。
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