復活の夜 ― 2009-09-04 23:59
先週末から無茶な生活をしたのでダウンしていたが、水曜に24時間寝たので完全復活しました。
で木曜は友人と3人で
・三宮のフランス家庭料理店で食事して、日本酒の店で奥播磨の冷酒を飲む。
・「さよなら、中年」したので「自転車仙人」を目指すと宣言したが、「生木のくせに」「枯れたふりをするな」と言われる(苦笑
・意外と淋しがり屋なので、またよろしくIさん、Oちゃん。
岳新刊を読む。主人公三歩の周辺の人々がメインとなったストーリーが多い。山岳救助隊の阿久津くんの仕事上の葛藤などが丁寧に描かれている。岳を読むと山に登りたくなるなぁ(5連休にテント泊の予定)。
今日は
バガボンド最新刊を読む。吉岡一門との死闘を経た後の武蔵の心象風景や禅問答めいた場面が最近は延々と続いていたが、やっとこさストーリーが展開し始めた。今回は又八とお杉ばあさんの意外な関係が描かれており、「原作を超えちゃってるな」と感じることしきりだ。
そして夜は大阪城ホールでコンサート鑑賞。
LIVE「君と歩いた青春」というフォーク大全集。出演者は
伊勢正三・イルカ・太田裕美・尾崎亜美・加藤和彦・杉田二郎・南こうせつ・山本潤子
観客は50代が中心で大阪城ホールが満席状態。ほとんどの歌詞を覚えているのは、やはり私もフォーク世代なのだろう。女の子にフラれたときに聴いた「22歳の別れ」「なごり雪」、女性の残酷さを歌詞に含んでいる「オリビアを聴きながら」「卒業写真」などなど、20代の爪先立ったような生き方をしていた自分を思い出す。
人の秘密の共有さの残酷を描いたスガシカオ「秘密」
いつか別れることが予定調和的にあるかもしれないaikoの「恋人」
夜の伊丹空港をロードバイクで走るときに浮かんでくる槙原敬之の「君を抱いたら」
そして究極のロードバイク歌はギルバート・オサリバンの「アローン・アゲイン」
これからもいろんな歌に出会って行くのだろう。
コンサートのあと梅田でひとり飲みながら
藤原新也の最新本を読了。ルポータージュでもなくエッセイでもない、短篇小説集とよんでいいだろう。星野博美、小林紀晴と写真家には魅力的な文章を書く人が多い。藤原新也も然り。あとがきで藤原さんはこう書く。
「哀しみもまた豊かさなのである。
なぜならそこにはみずからの心を犠牲にした他者への限りない想いが存在するからだ。
そしてまたそれは人間の中に必ずなくてはならない自らがかざす負の聖火だからだ。」
長く生きていれば、哀しみはつねに私たちの側にいる。でもヤケにならず、虚無的にもならないとするならば、どこかで人を信頼し、孤独の澱に落ち込まない芯みたいなものが必要なのではないか。
過度に楽天的に振る舞う必要もない、どこかで結びあっていく心が(それが哀しみにつながることがあっても)私たちの生きるスタイルには不可欠なのだろう。
どの作品群も切なく美しい文章で、すこし心が疲れている人にはお薦めの1冊です。
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