凄いコミック「孤高の人」 ― 2009-11-28 09:12
最近マンネリでワンパターンぎみの井上雄彦「バガボンド」を凌駕しそうな勢いのコミック「孤高の人」最新刊。
人の浅ましさや嫉妬、そして悲しさと孤独。これを冬山、アルピニストという世界で描いていく作者の迫力に圧倒されてしまいそうだ。
小説でなく、映画でなく、コミックという世界だからこそ描くことができる表現方法があるのだろう。
とにかく絵がとんでもなくうまい。カットごとに作者のエネルギーが注ぎ込まれているのがはっきりとわかる。
今回は「メメント・モリ」 死を想えという副題がつけられている。
酷寒の北アルプス全山縦走で主人公森文太郎以外は全隊員遭難、そして見えてくる隊員の過去。だが彼らにはもう未来はこない。
死者とともに単独行としての登山に向かう森文太郎のスタイルを明示させるストーリー展開。コミックという表現方法の最先端がここにある。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。