「ひとくちの甘能」と怒濤のお薦め甘味処 ― 2006-05-07 00:50
飛鳥への行き帰りの電車の中で「ひとくちの甘能」を読む。あの「負け犬の遠吠え」の酒井順子さんのお菓子エッセイ。オーソドックスなお菓子を巡って、ちょこっとしたエロティシズムや、そうそうそんな食感だよねとうなずくような文章が溢れている。
えっ?なんで、オヤジがお菓子エッセイを読むかって?
甘党なんですよ。で、辛党でもあるんです。
このブログにも書いているように、私はかなりお酒が飲める体質。でも、甘いモノも大好き。
でも、じぶんで積極的に甘いモノを買うわけじゃない。元はといえば、ふたりの息子がいるので、彼らが幼少のみぎり、妻がよくいろんなお菓子を買ってくるんですよね。
息子たちは喜ぶので、我が家にはいろんなケーキとかお饅頭とかが食後には常にあったわけです。
で、彼らが青年になっても妻の習慣は変わらず、最近は全国銘菓風になってきている次第。
いや、私自身が甘いモノが好きというのが主因でありますが。
この本では、
「ミルフィーユ」はデートでは食べてはいけないケーキ(同書10頁)だそうです。
たしかにパイの間からクリームがブニュっと出てしまうのには、私もひとりで軽く狼狽する。
懐石料理のデザートに出てくる「麩(ふ)まんじゅう」について食感がー「いい家の上品な奥様が実は・・・」的な、団鬼六の小説の読後感と似ている(同書25頁)ーには、笑っちゃいました。
挙げられている甘味処は
お団子、エクレア、ワッフル、シュークリーム、草餅、ソフトクリーム、マンゴープリン、葛切り、小倉アイス、水羊羹、わらび餅、チーズケーキ・ロールケーキなどなど多数(挙げていると、甘みに沈没しそうだぁ)。
ひとつひとつに酒井さんなりの、切り口があっておもしろい。甘味処の写真も、垂涎させる美味しそうな出来。
ちなみに私の大好きな甘味処は
・都まん(高知県高知市)
カステラ生地にあっさりした白あん。いくらでも食べることが出来る。
・野根まんじゅう(高知県)
こぶりなお饅頭で、素朴な味。これも連続して食すことが出来ます。ときおり関西のデパートでも購入できる。
・母恵夢(ぽえむ)(愛媛県松山市)
かなり甘口。でも、口の中でとろっととろけるのがイイ。
・ぶと饅頭(奈良市)
油で揚げて砂糖をまぶしているのに、さっぱりした食後感。
・出町ふたば(京都市上京区)
いつも行列の出来ている豆大福。豆大福の王道をいく。
・あぶり餅(京都今宮神社東側)
竹串に刺した小さなあぶり餅を甘辛い白みそでいただく。美味しい。「一和」「かざりや」の2軒の店が通りを面して、競っている。
・六花亭 マルセイバターサンド(北海道)
有名どころだけど、やはりうまい!
・中田屋のきんつば(金沢市)
このきんつば、あんだけでなく薄焼きの皮が柔らかくて美味しいんですよ。
あと、とても上品な栗まんじゅうがあるのだが、なんだったか失念した(うーん、気になる)。
いやー、いままでのブログのエントリの中では、いちばん力をいれて書いたかもしれない(苦笑)。
ちなみに、酒井さん、この本のあとがきで、
「お菓子もお酒も両方大丈夫という人は、たいてい肉体的にどこか問題を抱えていたりするものですし。」ってお書きになっている。
いやー、わたし、デブでもないし、いちおう健康診断では正常値なんですけど。
お菓子についてこれだけ熱心に書くオヤジって、精神的にはどこか問題を抱えていたりするかもしれないけどorz
YouTubeを試す ― 2006-05-07 18:13
GW最終日、関西地方は雨。いま話題のYouTubeで遊んでた。
これすごいなぁ。しかし、著作権問題、そもそも有料のコンテンツとはなにかをも考えさせられるけど。
日本からのアクセスも急増している。Net特有のダウンロード猿にならないようにしないとね。
しかし、女優綾瀬はるかさんのポカリスエットのCMシリーズを、全部見ることができたときには、感涙モノでした。
Linuxでも、動画を拡張子flvファイルとして保存し、MPLAYERで問題なく見ることができますね。
あんまりムツカシイことはわからないんですけど(汗)。
YouTubeについては、このサイトの説明がどまんなかストレートでしょうねぇ。
実験的にちょこっと動画を貼っておきます。
CMみたいだけど、なんか身につまされますね。
初夏のような天気とsupernova ― 2006-05-08 22:42
関西地方は、初夏のような天気。背広を着てネクタイを締めていると、ちょっと暑い。
最近、電車の中で聞いている音楽で気に入っているのは、BUMP OF CHICKENのsupernova。
息子のMDコレクションの中から、適当に抜き出して聞いていたのだが、この唄、すごく哲学的な歌詞なんだなぁ。
私自身がうまく言葉にできなかった感覚を、端正な詞で表現し尽くしている。よりかからない精神としなやかな肉体、孤独を恐れないながらも人とのつながりを求めていく。それぞれの些細な人生であれ、歴史があるということ。
「神は細部に宿り給う」という言葉を表現し尽くすと、このような歌詞になるのではないか。
恐るべし、 supernova。
帰宅時、電車が六甲連山の山並みが切れる場所にさしかかると、暮色の中で川面がきらきらと輝いている。
なんとなく幸せな、不思議な気分だ。
トイズファクトリー (2005/11/23)
supernova / カルマについて
BUMPだなぁと思う曲です。
「”怪物”グーグルが世界を支配する」を読む ― 2006-05-10 20:59
会社の帰りの電車の中で、文藝春秋2006年6月号を読む。
特集は、「衝撃予測 10年後の「団塊」」であるが、お目当ての記事は「”怪物”グーグルが世界を支配する」。
記事の項目をピックアップすると、
■グーグルは神か?
■クリーンで理想主義
■グーグルは公平か?
■検閲するグーグル
すでにNetで話題になっていることばかりであるし、文春新書「グーグル」に書かれていることと(筆者は違うが)あまり相違はない。
おじさんのための総合誌である文藝春秋では、この程度の記事が限界なのかな。
ブログを書いたり、グーグルの検索結果をチェックしたりしていないと、この記事の趣旨など、「おじさん」は理解できないのではないか。
グーグルを批判することって、立ち位置がむつかしい。グーグルは、公権力ではないし、あくまでも私企業としての立場。グーグルを使うことを私たちは、強制されているわけではない。そこに公共性や公平性というのを求めるのは、ないものねだりって感がする。
私としては、グーグルがより無機質な機能を強めていけば、利用者はかえって信頼するのじゃないかなともおもう。
文系の屁理屈じゃなく、理系のクールさをグーグルには保って欲しいな。
酔って候、されど書物に囲まれて ― 2006-05-12 23:19
えーっと、今週は火曜から金曜まで連続4日間、飲み会でした。酔って候・・・。
かなりお酒は強い方なので、泥酔するということはない。悪酔いしたくない場合は、ハイチオールCを飲んでからコトにとりかかると、翌日、楽です。
新しい職場は、書物環境に恵まれた場所にある。会社の周りに、大型書店(ジュンク堂)、古書街、図書館分室がある。今日は、図書館にて貸し出しカードを作成してもらう。新刊書は手に入りにくいが、ちょっと古めの本を読めるのが楽しみ。ちくま文庫の「柳田国男全集」が全巻揃っている。おーっ、これは読まなくちゃ。
新しい本、古書、図書館の本と、こんなに恵まれた書物環境にいるなんて、かなり幸せな気分。
泣かない子どもと人生の秋 ― 2006-05-13 15:33
関西地方は、肌寒く、冷たい雨。しずかな雨で、家でゆっくりとPCに向かっている。
昨夜、飲み会が終了してから、酔いを醒ますためひとりで街の路地を歩く。ちょっと素敵なレストランやBarをチェック。最近は、予約したレストランよりは、店のたたずまいが気に入った店に入る。初対面の人に会ったときの印象と同じく、たたずまいのよい店は外れが少ない。
金曜の夜、ときおり携帯にメールが届く。
読むと、今年、職場を変わった友人からのメールが多い。みなすこし孤独で、すこし不安なのかもしれない。
先日、友人とダイニングバーで飲んでいたとき、ひさしぶりに、ほんとうにひさしぶりに涙を流してしまった。
私は、子どもの頃に「泣かない子ども」になりたいと思っていた。だから、大人の感情の法則を計算し、彼らの感情の流れを予測し、読み取ることに熱心な子どもだった。要は、かわいげのないイヤな子どもだったわけだ。
三つ子の魂百まで、陳腐な表現ではあるが、真実を多く含む。私は、「泣かない大人」になることができた。
でも、それは錯覚だったかもしれないと、最近は思うことが多い。ドライな合理的な自分を演じたかっただけかもしれない。
ひさしぶりに涙を流したのは、悲しいからではなく、この数年の旧職場での悔しさみたいなモノがこみ上げてきてからだ。
仕事をしていく上で、つまらない意地や意味のない軋轢はつきものかもしれない。しかし、不器用な人、真摯な人を大切にしない組織を私は忌み嫌う。
旧職場での悔しさを、たぶん私は忘れないだろうし、悔しさを表現できなかった人たちを忘れないだろう。
精神科医の野田正彰は「人生の秋は美しい」という本の中で、中年の心得として以下のようなことを挙げている。
■喜怒哀楽をはっきりすること
■人を操作的にみないこと
■自分の隠していたコンプレックスときちんと向き合うこと
■明日のために今日を我慢するというライフスタイルを見直すこと
ちょっとやんちゃ坊主(喜怒哀楽をはっきりと)であろうと、人を利用しようとしたり、自分のコンプレックスを隠すために寛大にあるいは強圧的に振る舞ったりするライフスタイルからは、とおく離れて生きていきたいなぁと、静かな雨の日に思う。
雨の日に、MacBookは黒?そして超漢字4(BTRON)を想う ― 2006-05-13 17:09
■MacBookは黒?
MacのNotePCに、もうひとつ惹かれなかったのは、あの色。ホワイトとシルバーのNotePCが好きじゃない。
あくまでも個人的好みだけどね。ThinkPadのようにブラックスタイルが好き。「NotePCは、やはりブラックでしょ」という頑迷な思いこみが自分の中にある。ThinkPad X20シリーズの中古を漁っているのは、ブラックモデル+TrackPoint+Linuxという組み合わせが、とても魅力的だからだ。
ところがibookの後継機種MacBookに黒を基調とした種類が発売されるという噂がある。iPodのブラックモデルと似たものが発売されるのではないかということだ。これは、さすがに気になるなぁ。12インチ、つや消し黒なら、かなりクラクラとするかもしれない。
■超漢字(BTRON)の見た夢
超漢字4の解説書が発売された。
超漢字・超活用
いっとき超漢字3→超漢字4のみで文書作成、メール送受信、ブラウザ、画像管理をおこなったことがある。
超漢字4というベタなネーミングであったが、究極のハイパーテキストとしては秀逸なOSだとおもう。
TADという統一化されたファイル構造で、文章・画像をシームレスに利用できる。文書を書き、ネットの情報を引用し、画像を貼り付けるには、直感的で使いやすい構造だ。
だが、おおきな欠陥がある。音や映像にまったく対応していないこと。そしてあまりにも異質なOSのため、スタンドアローンすぎるのだ(VMWare上で動かすという方法もあるが)。
ブログという簡易な発信ツールができ、Web2.0的なツールがNet上で利用できる今、BTRONの先見性は後退したと言わざるを得ない。
ただ、文章を考え、じぶんの頭の中にハイパーテキストを構築するのには、すぐれたOSだと思う。
以前2ちゃんねるで
>好奇心旺盛で知性が高いなら、1年ぐらいかけて
>まったりと実身/仮身を味わってみるべき。
>やたらと起動・終了が早いから、最初はWindowsを
>起動する度にまずBTRONを起動する癖を付ける。
>そのつどチクチクと日記を付けることから初めて、
>やがて情報の蓄積から情報の構築に転換し始める頃、
>そこから発するインスピレーションにたどり着くともう病み付き
という書き込みがあった。
超漢字4を使っていたときこの発言に「そうそう」と思ったが、いまはOSに依存しないツールを使う方がいいようにも思う。
Linuxで音楽や映像を扱うのは、Windowsとなんら遜色ないし。
超漢字4が音楽や映像をもTADとして取り込み、Web2.0的ツールに対応すればかなり有力なOSになるだろうが、それはないものねだりかもしれない。
最近のコメント