新緑の比良(1)黄緑色の世界に出会う ― 2006-05-22 22:46
昨日は、ひさしぶりに湖西比良山系をトレッキングしてきた。
山上池である音羽池に群生するモリアオガエルの卵を見たかったのだが、まだ産卵はされていない。
サラサドウダンの花も、まだつぼみ段階だ。
盛りを過ぎた残り花のシャクナゲの花を青空越しに見る。
しかし、新緑はすばらしい。黄緑色の海のなかにいるような感覚だ。
白滝山周辺は、明るい林が続く。ブナやコナラの自然林に被われ、五月らしい青と白の混じったような光が差す林の中をさまよっていく。わざと登山道から離れ、林の中に分け入っていく。
この山はほとんど歩き尽くしているし、危険な崖や沢道もない。明るい林の中を歩いていくと、ひっそりと小さな池がある。たぶんほとんどの登山者が分け入らない林の中で、静かに五月の陽光を反射している池を眺める。
ふーっと、じぶんの身体が解けていくような感覚を味わう。登山靴、ザック、そして半袖のトレッキングウエアー。背広で武装した身体じゃない。
短髪の周りには、心地よい汗が染みとおっている。
どこまでも静かな林だ。
頭で悩むことばかりに拘泥せず、山の中にいるじぶんをすべて受け入れていこうという感覚。
だから、山歩きは、森歩きはすばらしいのかも。
(2)に続く。
新緑の比良(2)森のオヤジに出会う ― 2006-05-22 23:02
森のオヤジのような樹木に出会う。
すこし頑固そうで、でも話せばしゃれたことも言いそうな樹木だ。
厳冬の時季を何度も経ているので、幹は無骨に曲がっている。
登ってみると幹の周りは、コケに被われている。だが新芽もあらたな枝を伸ばそうとしている。
登山道を歩いていると、切られたばかりの樹木の断面から樹液がしみ出ている。
まだ、切られたこともわからずに、地中から吸い上げた水分や養分を枝葉にまで伸ばそうという本能が働いているのだろうか。樹液の周りには虫が集まってきている。
すこしだけ樹液をなめてみる。甘くない、渋いだけだ(あたりまえか)。でも、森のオヤジの息づかいを間近に感じたような錯覚を覚える。
森で遊び下山の準備を始めながら眺める、比良山系、琵琶湖の湖面が美しい。
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