小説「博士の愛した数式」を読む ― 2006-01-23 22:40
小説版「博士の愛した数式」を読む。
映画と原作の違いがくっきりとわかる。
映画は博士と義姉の関係をかなり明瞭に示している。
小説の方は暗示的。
博士とルートたちとの最終章も、小説では明示される。
でも、希望のない結末じゃない。
映画「ジョゼと虎と魚たち」の原作、田辺聖子の小説は、短編。それを、映画はイメージをふくらませ、流れのあるストーリーを設定している。
映画「博士の愛した数式」は、ルート・ルートの母(家政婦)・博士だけでなく、義姉との視点もリンクさせていく。これは、映像としては深みをもたせたんじゃないかなぁ。
小説の博士は「もと美男子」だけど、博士(寺尾聡)のように、長身じゃなく、どちらかというと外見は見栄えがかなり悪い。
でも、数学を通じて、生き方の潔さみたいなモノは小説からも映画からも感じ取ることができる。
それと、小説では、夏のシーンが出てくるんですよね。
映画に夏のシーンが出てこないのが、なんか不可思議な感じがしたんですよ。
単に、個人的印象ですけど。
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