猟奇王、去る。2025-05-11 22:46

最近はボーッとしていることが多いので、Amazonプライムビデオ映画やYoutubeでVlogを眺めたりしている。
「Vlog」とはVideo blogの略で、自分の好きなことを文章で表現する一般的なブログの動画版のことらしい。
SNSがXからInstagramに移行していったようなものか。

意識高い系エンジニアのVlog(外国が多いかな)を眺めていると、「穏やかで健康的、そして生産的」というのがスタンダードみたい。

すっきりと起床して、シャワーを浴びて、自炊して会社ではデュアルモニターのPCに向かう。きちんとジムで筋トレすることも忘れない。

駅の改札では、アップルウオッチやスマートフォンを改札にかざして通り抜けるのが定番みたい。

ほーっと隠居は眺めているけど、意識高い系を極めるとかなり疲れそう(苦笑

ということで本の「独居老人」でも紹介された川崎ゆきお氏のサイトを久しぶりに訪れてみた。毎日更新のブログが昨年6月で更新されていない。Facebookのサイトは更新されているので、読んでみると昨年8月頃から夏バテで食欲がないという日記が続いている。
確かに昨年の猛暑は災害並みで、私も外遊び(自転車/散歩)などを控えるほどの猛暑だった。

川崎氏は、毎日、馴染みの喫茶店でモーニングを食べて(確か煙草は若葉を吸っていた)、持参のモバイルPCで日記や小説を書いていた。そして自転車散歩しながら愛用のカメラで街の何気ない風景を撮影してアップしていたのでフォトログの面もあった。

(この頃から川崎氏のブログを読んでいた)

「猟奇王」という独特のキャラクターを作り上げ、伝説のコミック雑誌「ガロ」で活躍していたようだ。

昨年9月初め、Facebookが更新されないので、知人が自宅を訪ねてみると自宅で急逝されていたようだ。独居老人の孤独死と言われるかもわからないけど、人はすべからく独りで死んでいくので、そういった意味ではすべての人が孤独死とも言える。

川崎氏は私より2歳年長の1951年生まれ。飄々と令和の時代をまだまだ生きていかれると思っていたけれど、考えてみれば古希をすぎれば「おまけの人生」なのでVlogのような元気さと華やかさは老人にはない。

昨日、伊丹の図書館に行って、自宅までいつもとは違うコースでウォーキングした。伊丹郷町の旧い町並みが残る場所、農業用水路の名残のような場所などを歩いていると、川崎氏がカメラのファインダー越しに眺めた風景と既視感がリンクする。

凡庸に生き続けられることは、贅沢な僥倖の面もあり、いつまでも当然ながら続くものではない。映画や小説のように、私たちの生活にもエンドロールはかならず来る。

プライムビデオで今更ながら小津安二郎の「東京物語」を観ているけれど、ずいぶん老人と思った笠智衆の役が自分に近しくなってきているのを感じて、より「昭和」を懐かしく感じるようになる。

(凡庸な日々、モバイルディスプレイを買ってデュアルディスプレイにして遊んでいる。生産性は隠居には不要なので、Vlogには向いていない。)

(テキストファイル作成はタブレット+Bluetoothトラックポイントキーボードが結局アクセスしやすく便利)




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