ミッドナイト イン パリ2018-12-28 23:16

寒波到来、フランス旅行から帰国して時差ボケもそれほどひどくはないようだ。

昨夜はAmazon Videoで「ミッドナイト イン パリ」を観た。
ミッドナイト・イン・パリ [Blu-ray]
ウッデイアレン監督の1時間半ほどの映画だ。これくらいの上映時間が、集中力が劣化しつつある隠居にはありがたい。

金持ちの娘と婚約した小説家志望のアメリカ人が、婚約者の両親らとともにパリを旅する。

金に物をいわせ「腹のせり出したアメリカの年寄り、酒と女の量と数で男の値打ちを云々する」(「ライオンを夢見るー矢作俊彦・同書78頁)婚約者の父親や蘊蓄多い婚約者の男友達にウンザリして、彼らと離れ主人公はパリの街角でボンヤリしていると1920年代のパリにタイムスリップする。

そこで彼はフィッツジェラルド夫妻やピカソ、その愛人と出会い、1920年代のパリ、人に魅了される。パリが舞台となっているので、映画ではセーヌ川、凱旋門、ベルサイユ宮殿など先日の訪問地が登場する。

オランジュリー美術館にあるモネ最晩年の大作8枚の【睡蓮】も舞台となっている。

映画はまさしくアメリカ人、あるいは旅人から見たパリだということだ。
主人公は婚約を解消してパリに残り小説を書くことを決断する。そしてレコードを通じて知りあった古レコード屋のパリジェンヌと恋する予感を残して終わる。

パリを旅行したところなので、映画に親近感を持つことができる。

ライオンを夢見る
そのアメリカ人(ヘミングウェイのこと)が1920年代のパリで主役だったというのも、少し眉に唾をつけて考えたほうがいい。
ガートルード・スタインの周りには、たしかに後に名を挙げるアメリカ人作家が集まっていた、同じころ、パリにはピカソがいてブルトンがいた。ジョイスがいた。エレンブルクとツァラがいた。余計なことだが、辻潤と甘糟正彦までいたのだ。名を連ねるまでもなく、モンパルナスの、いやいやパリのヘミングウェイは、ただの余所者でしかない。それを解消したもの、彼らアメリカ人をパリに強くコミットさせたものは、無傷の経済基盤、要するにドルである。
何とも悲しいことに、1980年代の日本人を、これは思わせる」(「ライオンを夢見るー矢作俊彦・同書92頁)


矢作の文章を読むと、この映画を別の面から見ることができるような気もするね。そしてヘミングウェイの短編もいくつか読んでみると、パリのヘミングウェイを妄想したりできる。

映画ー評論、小説と繋がり意外と愉しい。

今日はLineのアルバムに皆がUpしたパリ旅行の写真をPCにダウンロードした。
Linuxを使っているので、Wine上でWindows版Lineを走らせたが、無事ダウンロードした。

午後からはクロモリロードで書店巡り。

公園で持参のサンドイッチを食べようと思ったが寒すぎてそのまま持ち帰った。




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