快著!「チーム・バチスタの栄光」 ― 2006-01-25 23:56
ミステリー小説は、あまり読まない。
警察組織の中でたたき上げ刑事、キャリアなどの確執。ともすれば凡庸な組織論に主眼が置かれて、興味をそがれるのだ。
あるいは変に自我意識が強く、わざと崩したような生活スタイルの主人公が、超人的な活躍をしたりする。
うんざりなんだようなぁ。
でも、この小説は、とにかくおもしろい。
読み始めて、いっきにその世界に引き込まれていく。
チーム・バチスタと称される優秀な心臓外科チームに手術中の死亡例が続く。
医療事故か、単なる偶然か、あるいは別の悪意の存在があるのか。
病院長から特命を受けた愚痴外来(不定愁訴外来)の医師が、調査にとりかかる。
中盤からトンデモ厚生労働省技官が乱入して調査に加わり、いっきにヒートアップしていく。
人物の造形も魅力的で、文章もリズム感に溢れている。
ストーリーはネタばれになるので自粛。
もう推理小説とかミステリー小説という限定をしないほうがいいのでは。
「ミステリー小説」に対する偏見を取り除いてくれる快著です。
最近のコメント