有川浩「レインツリーの国」を読む2008-02-27 22:56

レインツリーの国

小説「阪急電車」を読み、かなり興味を掻きたてられた有川浩さんの小説。
ブログに書かれた小説の感想を、ブログ主の女性と読み手の青年がメールのやりとりをすることからストーリーが展開していく。
で、ふたりは価値観の同質性と異質性の微妙なバランスの中で互いに好意をもっていく。
ここまではよくある話し。

リアルに会ったとき、彼女は後天的な難聴者であるということがわかる。
健常者と障害者の恋愛。
ここまではありそうな話し。

だが有川さんの心理描写はなかなか鋭い。時には彼の立場で、時には彼女の立場で屈折したワガママや割り切り、すこし投げやりな態度などを微妙に描いていく。
それを彩るのはがさつじゃない関西弁。

関西に暮らして30年以上経つが、TVのようなけたたましい関西弁をしゃべる人はあまりみかけない。
仕事や日常生活の会話は、関西弁と言うよりは丁寧語でしゃべる人が多いんじゃないかな。ちょっとくだけたり、軽口をたたいたり、親密になったとき、めちゃむかついたときに関西弁が直球ででるようだ。
だから、初めからことさらに関西弁をしゃべる男女はあんまし信用でけへんという経験則もある。

二人がずっと一緒に生きていけるかどうかはだれにもわからない。だからこそ「レインツリーの国」という彼女のブログ名の意味が解き明かされるとき、余韻を残す構成になっている。うまいなぁ。

この小説は、「図書館戦争 内乱編」と相互リンクしている小説らしい。
図書館内乱
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