「すごいトシヨリBOOK」を読む2017-12-05 23:33

関西地方もグンと冷え込んできた。
冬が過ぎれば隠居生活に入るので、こんな本を読んでみた。
Google Playブックスで最初は400円割引があるのでダウンロード。電子書籍はKindle,hontoと利用しているが、Playブックスは初めてだ。Android版で読むと操作方法はKindleなどの電子書籍と共通するところが多いので、違和感はそれほどない。

池内氏の本にしては、文体がちょっと違うなと思ったら、編集者が聞き取りをしてまとめた本だから、インタビュー形式をまとめたものといえようか。そのぶん読みやすくて、あっという間に読めてしまう。

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はじめに 自分の観察手帳

第1章 老いに向き合う
 人生の秋/老人特集/老いの問題/老人の時間/木も老ける/病院と老人
第2章 老いの特性
 群れたがる/圧力で変形/見知らぬ自分/老語の楽しみ/見捨てられない訓練/不機嫌の原因/物がモノノケになる
第3章 老化早見表
 老いの進行を知る【●カテゴリ3 失名症・横取り症・同一志向症・整理整頓症・せかせか症・過去すり替え症/●カテゴリ2 年齢執着症・ベラベラ症・失語症・指図分裂症・過去捏造症・記憶脱落症/●カテゴリ1 忘却忘却症】/横取り症と日本人/最後まで話を聴く力
第4章 老いとお金
 本当のお金持ち/金のことを考えなくていいシステム/三つのリュック/在庫一覧/ルール作りの楽しみ/お祭りOTKJ/初期投資
第5章 老いと病
 老いてからの病/病をきっかけに/意思を示す/精密検査/医者を崇めるな/恵みの病/共生の思想
第6章 自立のすすめ
 テレビから自立/家族から自立/気まずい夫婦旅行/オーナー気取りで
第7章 老いの楽しみ
 おしゃれの楽しみ/見られない楽しみ/ワインの楽しみ/ラベルの物語/メリハリをつけて/せんべいコレクション/せんべいの管理/ホテルコレクション
第8章 日常を再生する
 老年オリンピック/将棋の世界/ゼロから歌舞伎/歌舞伎一年生/再読で再生/鉄仮面の正体/眠りの練習
第9章 老いの旅
 下り坂にて【旅の工夫① 一日増やそう/旅の工夫② 他人任せにしない/旅の工夫③ ストックを用意しよう/旅の工夫④ 欲張らない/旅の工夫⑤ お土産は買わない/旅の工夫⑥ 記録を作る】/億劫を乗り越えて/アントンとは誰か/なんとかパッド/人生はされど麗し/べっぴんさん
第10章 老いと病と死
 自分が主治医/治る病気 治らない病気/危険な博打/医学の限界/ひどい目に遭っている人/便宜の功罪/身近な死/水面の太陽/風のように
あとがき

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老人になるのは初めてだし、隠居生活も基本は「自分なりに好きにすればよい」ということになるだろう。著者の池内氏も77歳、70代になってから老いをかなり意識するようになったようだ。一般に60代でカクっと、70代でガクッと老いていくと言われているが、これは多くの人に平等に訪れるようだ。

「第3章 老化早見表」が興味深い。横取り症とは会話の途中に、自分のことばかり話し始めるのが老化の兆候らしい。還暦を過ぎれば齢耳順になるというのは、理想のスタイルであって、それができなくなる老人が多いようだ。これは私にもその傾向があるので、自戒しなければならない。やはりニコニコと人の話を聴ける老人になりたいものだ(真剣に聴いているかは別だが)。

だから老人が群れると(卑近なところではハイキング集団を見ればわかる)、妙に喧しくたぶん誰も人の話を聞いていないのだろう(苦笑

群れずに独りぼっちでもいいじゃないかというスタイルが、自分には相応しいだろうな。

過去をすり替えたり捏造する傾向は、私にはあまりない。だって過去のことをあまり覚えていない、北摂の峠の名前はほとんど覚えているんですけどね。
ただ組織を辞することを1年前に決めたのは
・ミスしたら言い訳をする
・ミスしたことも気づかなくなる(忘却忘却症)
という仕事人になることが自分の小さな美学に反することが影響している。

第9章 老いの旅
【旅の工夫① 一日増やそう② 他人任せにしない③ ストックを用意しよう④ 欲張らない⑤ お土産は買わない⑥ 記録を作る】
は表題からある程度想像できるだろう。

ちょい住みしてロードバイクで走るときの参考にもなるし、今回の台湾旅行でも試してみるつもりだ。


気楽に読めて、これからの自分の老いを観察しながら楽しんでいくことにちょっと役立つ本だろう。

著者の硬質な文体を読みたければ、こちらの本がお薦めかな。
記憶の海辺 ― 一つの同時代史 ―



コメント

_ 本が好き!運営担当 ― 2017-12-07 21:59

突然のコメント、失礼いたします。はじめまして。
書評でつながる読書コミュニティ「本が好き!」を運営しております、和氣と申します。

貴ブログを拝読し、ぜひ本が好き!にもレビューをご投稿いただきたく、コメントさせていただきました。

本が好き!:http://www.honzuki.jp/

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