1969年の川ガキ2021-09-07 22:40

9月、猛暑も峠を越えたようだ。長雨であまり夏っぽい季節ではなかったけれど、猛暑でなくなるのは助かる。
夏大好きとはいえ、最高気温35度・太陽ギラギラの下、ロードバイクで走るのはしんどくなってきた。
68年使ってきた心肺機能は確実に劣化している。途中、熱中症気味(頭痛、息が上がるなど)になったり、真夏の太陽のもとで走って帰ると、声がかすれるようになった。以前は200kmほど走るとそんな状態になったけれど、加齢とともに排熱処理が低下しているのだろう。

今日は最高気温30度くらい、そして曇りがちの天気。カーボンバイクで走るには、適当な天候。
午前10時頃、カーボンバイクで発進。脇腹の痛みもなくなって、ダンシング・下ハン体勢でも違和感がない。完全治癒には1ヶ月ほどかかった。ロードバイクはある程度体幹がないと、走るのがしんどいからね(ゆるゆるとはいえ)。

「猪名川町・川遊び」で検索すると、親水公園のような場所が多いけれど、メープル猪名川近くの川を紹介しているサイトがあった。旧県道12号線や歴史街道沿いの猪名川で、おもに中学生くらいの男子が泳いでいるのを見たことがあり、そういえばここもけっこう泳いでいる子たちがいたな。

あらためて橋から見てみると、小さな森から川に向かって階段があり降りることができる。けっこう深さもある川やね。



「川ガキ」という本を先日読んだ。全国の川で遊ぶ子どもたち(川ガキ)の姿を撮ったフォトエッセイ。

私のふるさと高知の川としては
・高知県本山町 汗見川
・高知県四万十市 四万十川
・高知県安田町 安田川
・四万十川支流 黒尊川
・高知県仁淀川町 土居川
などが紹介されている。

著者のサイトにも写真が紹介されている。

川ガキ | Kawagaki

とくに安田川は魅力的。来年の夏は、その川で泳いでみたいな。
この本を読みながら、遠い記憶がよみがえった。

高校1年の夏(16歳だ!)、クラブの同級生の自宅へ、もうひとりの同級生と泊まりがけで遊びに行った。友人のおばあちゃんが縁側に座る猫みたいな感じで「よーう、きたね」と声をかけてくれて(ニャーとはいわなかった)、夏祭りの始まる前に近くの物部川に3人で魚取りにいった。友人の手作りのヤスを借りて、川に潜って鮎をねらう。鮎は川のなかで俊敏だ。けっきょく川に慣れている彼が鮎を2匹、ヤスで突くことができた。

河原の石を集めて、枯れ木を下に敷いて点火。鮎やその他の魚に醤油をかけて、石の上で焼いて食べるのだ。
あれはうまかったなー。

夜は地元の夏祭り、多くの露店が出ていた。いまでいう古民家ような彼の自宅で、そして蚊帳のなかで3人で何かを遅くまで話していた。何を話したかは記憶にない。

2016年の夏、高校の同窓会名簿が届いた。4年にいちど同窓会が開催されるのだが(私は40歳のころ一度参加したのみ)、その名簿の彼の欄には「逝去」となっていた。クラブも辞め、クラスも私は文系・彼は理系と分かれた高校2年からは彼との交流はまったくなくなった。
鮎を捕ることには敏捷だったが、16歳としては物静かな男の子だった。川での彼の笑顔を50年以上経っても、くっきりと覚えているのは、そこに豊穣な川があったからだろう。

閑話休題

くろまんぷを北から通過。定点観測。

栄養補給として、道の駅いながわで焼き餅を2個購入(白餅とヨモギ餅)。ぱくぱくといただく。



阿古谷などの里山では稲刈りが始まっている。

気持ちよく83kmほど走った。余力はあったが、腹八分目がいいだろう。午後4時頃、帰宅。



夜は和田誠「ほんの数行」を読む。


和田誠氏が装丁した本のうち100冊を簡潔に、でも魅力的に紹介している。和田誠氏はちゃんとその著作を読んでいるようだ。
色川武大「うらおもて人生録」にはこんな紹介文がある。


表題は「九勝六敗を狙え。」

「色川さんの基本的な考えは、人間の運は誰だって長い目で見ればプラスマイナス・ゼロになる、というものだ。大儲けするやつは健康を害し、儲けて丈夫なやつは性格を破綻させる。どっちみちトントンなのだ、という考え。」(同書27頁)

荻原魚雷氏もたびたび、この「九勝六敗を狙え。」に言及している。私はいままでの人生を何勝何敗だろうかと計算したことはないな。たぶんそれは20歳以降は計算に悩まされる生活を、あまりしてこなかったからだろう。
ロードバイクで走れるこんな日が、そして来年の夏は「川ジジイ」として遊べる日があればいいかな。



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