土佐好古史談2020-04-06 22:38

桜は満開、でも鬱屈した世相は変わらない。

週末は孫守の手伝い。長男夫婦たちは老人である私たちへのウイルス感染を危惧してくれているが、息子たち・孫たちは運命共同体、孫たちと遊ぶと体力もアップするので悪いことじゃないだろう。

武庫川の桜は満開。

今日、スーパーに買い物に出かけると、とくに買い占めは生じていないようだが、カップ麺の棚にけっこう空きがある。私はときおりカップ麺などのジャンクを無性に食べたくなるので、3個ほど自分用に購入。あとは生鮮食品のみ。

旧い本をgoogl play booksで読んでいる。Dマガジン、Amazon Kindle,honto,青空文庫と電子書籍を利用しているが、Play booksでは著作権切れの古書を読めるようだ。

いま面白いのは、高知の郷土史家・寺石正路(慶応4年9月2日(1868年)ー昭和24(1949)年12月23日)著作の「土佐好古史談」

真覚寺日記、もともとは「地震日記」「晴雨日記」という表題で、現在の土佐市宇佐の真覚寺の僧侶・静照(じょうしょう)が書いたものも紹介されている。

安政(1858年)のトンコロリ(コレラ)の流行の際、
「誰言ふとなく唐辛(とうがらし)を頭上に頂けば病来らずとて男女共頭に辛を頂く 遠方より見れば簪(かんざし)の如し

比時静照師は戯れに左の狂歌詠じた

髪のある人は理屈がよけれ共 坊主頭はせん方もなし」

迷信がまだまだ跋扈する江戸末期に、知的な存在としての住職日記は、知的高潔さを感じさせる。いまの下品なマスコミとは当然ながら比べることなどできない。

「土佐史蹟巡遊」という本では浦戸湾内巡航船で桂浜・浦戸を訪れる記載がある。

「共日巡航船 に て 内海 を 航 し 午後 二 時 長濱 に 着 し 同 地 小学校」と記載がある。

「浦戸と長濱とは土佐の鎌倉と江ノ島である 其風光に富み海山 の 景色 麗しく 然も 名社古刹や英雄偉人の墳墓古跡も多くして 旦 城市に近く四 時の遊 者 をして 容易 一日の清遊を試みしめ 風詠と懐古の威 を併せ得せしむる所は相似て居る他日四国鐵道貫通の 暁には 室戸岬と相待ちて必ず日本名勝地の 一に挙げらるる事は疑をまたぬ所である」

私の生まれ故郷は江ノ島みたいにはならなかったが、桂浜は観光地として高知を代表する土地となっている。

宮本常一の民俗学の本を読んでいると、埋もれた史家の文章も面白いなと思う。
世相が不安定になると(阪神淡路大震災のときもそうだったが)、現在の小説などはなぜか読みたくなくなる。大正・昭和初期の市井の学者の本が、みょうに好ましい。


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