「職業としての小説家」ー心とフィジカル2015-09-16 20:12

週休日だけど天候不順でロードバイクに乗れない。
シルバーウィークが天候が安定するようなので、そのときに乗ることにしよう。

村上春樹「職業としての小説家」を読了。
 職業としての小説家 (Switch library)

この本を読んで、「じゃあ自分もひとつ小説を書いてみるか」とか「小説家になるヒントがあるんじゃないか」とか思ってはいけません。小説家とは「書かないではおられない人」であり「書くことを神様から天命として受けた人」じゃないかな。

でも村上氏が何度も書いているように長期間、職業としての小説家を続けることはなかなかに困難なことであるでしょう。

第十一回 海外へ出て行く。新しいフロンティア
などを読むと村上氏が海外(まずはニューヨーク)出版に備えてよい意味での戦略的な方法をとっていることに新鮮な感がした。

このことはこの本を読むと別の舞台裏がかいま見えてくる。絶版のようなので、図書館などで読むのがよいでしょう。
 ハルキ・ムラカミと言葉の音楽

そして
第七回 どこまでも個人的でフィジカルな営み
も興味深い。

日本では小説家というと従来は私小説をイメージして、自堕落で不健康、でもだからこそ人間の性(さが)を描けるというような定型があったみたいだけど、この章でこう書かれている。

「長い歳月にわたって創作活動を続けるには、長編小説作家にせよ、短編小説作家にせよ、継続的な作業を可能にするだけの持続力がどうしても必要になってきます。
それでは持続力を身につけるためにはどうすればいいのか?

それに対する僕の答えはただひとつ、とてもシンプルなものですー基礎体力を身につけること、逞しくしぶといフィジカルな力を獲得すること。自分の身体を味方につけること。」

これが走ることにつながっていくわけですね。

村上春樹と読者の関係はかなり幸福な関係にあると思う。
村上作品は癖になるので、新刊が出ればかなりのリピーター読者がいる。
私もその一人だし、村上作品は何度でも読み返すことのできる、そして読み返すたびに新たな読後感のある希有な小説なんだ。

一流選手の動きはなぜ美しいのか  からだの動きを科学する (角川選書)

電子書籍ではこんな本も読んでいた。

小説家にもアスリートにもなれなかったけれど、心とフィジカルの調和って大切だなと思う。




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