2月、風のことを考えよう ― 2011-02-02 22:43
帰宅後、スコッチウィスキーを飲みながら村上春樹の「雑文集」を読んでいる。
この本は音楽や翻訳、小説などについてカテゴリー化されて、それに関する村上春樹の「雑文」がピックアップされているけど、どこからでも読み進めることができるのがいい。
短篇「トニー滝谷」や「ノルウェイの森」の裏話もあって興味深い。
ウイスキー水割りを飲みながら読み進めていると、こんな文章に出会った。
トルーマン・カポーティの「最後の扉を閉めろ」という短編小説の最後の一節で
”think of nothing things,think of wind"と締めくくられているらしい。
村上春樹は
「何かつらいことや悲しいことがあるたびに、僕はいつも自動的に思い起こすことになった。「何でもないことだけを考えよう。風のことを考えよう」と。そして目を閉じ、心を閉ざし、風のことだけを考えた。いろんな場所を吹く風を。いろんな温度の、いろんな匂いの風を。」(同書345頁「風のことを考えよう」)
と書く。
僕はすこし酔っぱらった頭で、我田引水と言われようとロードバイクのことを思い起こす。
ロードバイクはいつも風とともにある。
山歩きしている頃、午後4時頃を過ぎると低山でも急に風が強くなり樹木の枝や葉を揺らし始め、単独行の山歩きだとなにかしら心細い雰囲気が濃密になるのをいつも感じた。
そこには風があった。
ロードバイクはもっと直裁的に風とともにある。
冬の季節風に抗ったり、真夏の熱風に翻弄されたりする。
追い風でグングンとロードバイクが進んだりする。
村上春樹はギリシャに住んでいた頃を振り返って
「そこは、風がひとつのたましいのようなものを持つ場所だったのかもしれない」
と書いている。
そして
「風について考えるというのは、誰にでもできるわけではないし、いつでもどこでもできるわけではない。人がほんとうに風について考えられるのは、人生の中のほんの一時期のことなのだ。」とも。
そんなわけで明日は有給をとってロードバイクで1日走ってくることにした。
2月。
今月は意識的にロードバイクで走ってみる月にしたい。
この本は音楽や翻訳、小説などについてカテゴリー化されて、それに関する村上春樹の「雑文」がピックアップされているけど、どこからでも読み進めることができるのがいい。
短篇「トニー滝谷」や「ノルウェイの森」の裏話もあって興味深い。
ウイスキー水割りを飲みながら読み進めていると、こんな文章に出会った。
トルーマン・カポーティの「最後の扉を閉めろ」という短編小説の最後の一節で
”think of nothing things,think of wind"と締めくくられているらしい。
村上春樹は
「何かつらいことや悲しいことがあるたびに、僕はいつも自動的に思い起こすことになった。「何でもないことだけを考えよう。風のことを考えよう」と。そして目を閉じ、心を閉ざし、風のことだけを考えた。いろんな場所を吹く風を。いろんな温度の、いろんな匂いの風を。」(同書345頁「風のことを考えよう」)
と書く。
僕はすこし酔っぱらった頭で、我田引水と言われようとロードバイクのことを思い起こす。
ロードバイクはいつも風とともにある。
山歩きしている頃、午後4時頃を過ぎると低山でも急に風が強くなり樹木の枝や葉を揺らし始め、単独行の山歩きだとなにかしら心細い雰囲気が濃密になるのをいつも感じた。
そこには風があった。
ロードバイクはもっと直裁的に風とともにある。
冬の季節風に抗ったり、真夏の熱風に翻弄されたりする。
追い風でグングンとロードバイクが進んだりする。
村上春樹はギリシャに住んでいた頃を振り返って
「そこは、風がひとつのたましいのようなものを持つ場所だったのかもしれない」
と書いている。
そして
「風について考えるというのは、誰にでもできるわけではないし、いつでもどこでもできるわけではない。人がほんとうに風について考えられるのは、人生の中のほんの一時期のことなのだ。」とも。
そんなわけで明日は有給をとってロードバイクで1日走ってくることにした。
2月。
今月は意識的にロードバイクで走ってみる月にしたい。
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