「走っているときに僕のいる場所は、穏やかな場所です」2010-10-07 23:03

今日も帰宅後、ロードバイクで猪名川堤防道路などを中心になるべく車のいない安全な道を選択しながら走る。

村上春樹のインタビュー集をいま読んでいるけど、「走ることについて語るときに僕の語ること」ドイツ語翻訳版発刊に際し受けたインタビューが興味深い。

村上春樹は小説を書き続けるために、そして時に深い井戸のような暗闇の世界で物語を構成していくためには健全な肉体が必要だと常に語っている。
だから彼は毎日ジョギングし、定期的にマラソンやトライアスロンの大会に参加している。

凡庸な僕は別に健全な肉体をもって対峙しなければならないものはない。
でも凡庸な人生であっても、小さな悪意の集積に耐えられるだけの精神性と肉体をもっていたほうがいい。

大きな悪意の存在については、僕らは異質なもの、彼岸にあるものとして無視したり興味本位で語ったりできる。でも日々の生活にある意識されない小さな悪意は、次第に僕らの精神をボディブローのように蝕んでいくときがある。

そんなときロードバイクに乗ると静謐な感情が自分を包んでくれる。
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僕らは無機質な機械でもないし、合理性や自我の拡張だけで生きていくことはできない。
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ロードバイクに乗っていると、最初は仕事のことやむかつくこと、哀しかったことなどをときおり思い出すけど、次第にそのような感情は薄れていく。

草むらや川から飛び出た小鳥と平行してロードバイクで走っていると、自分自身も小さな鳥になった感覚になる。小鳥の真横を同じスピードで走っていく体験なんてロードバイクじゃないとできない。


村上春樹の上記インタビューの表題は「走っているとき僕のいる場所は、穏やかな場所です」。

ロードバイクに乗っているとき、僕も穏やかな場所にいるような気がする。DSC_0698

今宵の走行距離 36Km

明日の午後からは天気が崩れてくるみたい。週末はなるべくロードバイクに乗りたいんだけど。



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