甘美なフェチシズム短篇、小川洋子「海」2009-02-02 22:32

海
ひさしぶりに小川洋子の短篇集を読む。
甘美なフェティシズムに満ち溢れた作品群だ。

「海」
架空の楽器「鳴鱗琴(めいりんきん)」。婚約者の弟は、海風と呼応して鳴るというその楽器奏者。死への擬態、サイダーという小道具。彼と彼の姉の婚約者が語り合う時間の静かなこと。

「風薫るウィーンの旅六日間」
ウィーンの養老院の部屋が中心となる。白くて仄(ほの)暗い世界。結末がちょっとブラックユーモア。

「バタフライ和文タイプ事務所」 和文タイプの活字を修理する男と新人タイプライターの官能的なやりとり。活字を巡る言葉使い(淫靡、糜爛)のうまさ。

「ひよこトラック」
言葉を発することができなくなった少女と、人生に疲れたホテルのドアマンの交流。陳腐な感情の交流ではなく、蝉の抜け殻、卵の抜け殻などを通して、互いに再生していく物語。

「ガイド」
不完全なシャツを作る伯母さん、詩人を止め「題名屋」として業をなす初老の男。彼らと交流する男の子。題名屋の男が彼の1日につける題名は「思い出を持たない人間はいない」

甘美なフェティシズムに浸る1日があってもよいかもしれない。

玄侑宗久「龍の棲む家」を読む2009-02-03 22:37

龍の棲む家

玄侑宗久「龍の棲む家」を読了。この作者の本はすんなりと読めるものとそうでないものが何故かある。今回は短篇でもあり文章が淡々としていて読みやすい。すんなりと作者の世界に入っていける。
人は肉体から滅ぶのか、精神から滅んでいくのか。精神が斜陽に向かうとき、あるときは鬱として、認知症として顕現するのかもしれない。

市役所を退職し70代半ばの認知症の父を看護する次男。花の風景や水の景色、そして父が若かりし頃の家族の団らん、それらがすべて夢かのように父の認知症は進行していく。次男も事実上の妻と別れ、あまり流行らない喫茶店をたたみ父の看護に専念している。

そこに現れる介護ヘルパーの30代半ばの女性。三人の屈折や想いが、父の認知症を梃子として展開していく。
人にはそれぞれ心の闇がある。その闇が如実に顕現するのが「認知症」の一側面かもしれない。精神の枠を取り払ってしまうような人の心の不思議さと残酷さ。

ただこの作品は陰惨で暗いものではない。静かで凝縮された文章と、次男と介護ヘルパーの女性の間で生じる生きることへのエネルギー。巻末の文章がとてもいい。

生きのびろ、ことば2009-02-04 23:42

久しぶりに立原道造の詩を読む。若い頃読むと「甘ったるい高等遊民の詩だなぁ」と思ったのに、いま読むと不思議にストンと胸に落ちてくる。

のちのおもひに

夢はいつもかへつて行つた 山の麓のさびしい村に
水引草に風が立ち
草ひばりのうたひやまない
しづまりかへつた午さがりの林道を

うららかに青い空には陽がてり 火山は眠つてゐた
——そして私は
見て来たものを 島々を 波を 岬を 日光月光を
だれもきいてゐないと知りながら 語りつづけた……

夢は そのさきには もうゆかない
なにもかも 忘れ果てようとおもひ
忘れつくしたことさへ 忘れてしまつたときには

夢は 真冬の追憶のうちに凍るであらう
そして それは戸をあけて 寂寥のなかに
星くづにてらされた道を過ぎ去るであらう

生きのびろ、ことば
たぶん詩人による言葉のエッセイ集を読み進めているからだろう。すこし想うことのある冬の夜。想いをすべて言語化する必要はないだろう。
明日は会社の帰りに自転車ショップで諸々の備品チェックの予定。

伊吹山ヒルクライムまで2ヶ月2009-02-05 23:29

今日は帰宅後、自転車のメンテナンス。

・ブレーキパッドを前後交換。研磨剤でリム部分のブレーキシューによる汚れを取る。

・リアのタイヤが磨滅しているのでContinental GRAND PRIX 4000Sに交換。
GP4000Sは硬めのタイヤだが、乗り心地がよいので気に入っている。パンク耐性も強いようだし。
併せてチューブをEXTENZA軽量用に交換。
軽量用(67g)は810円、超軽量用(52g)は2倍の1660円なり。
通常のライドでは軽量用でよいだろう。
その他、パンク時の予備チューブとしては通常のパナレーサー(650円)をサドルバックに入れている。

・今日、六甲をトレイルランしてきた次男によると、六甲山も春の雰囲気が漂い始めているという。まぁ今日は快晴でしたからね。
伊吹山ヒルクライムまであと2ヶ月。今月末から週末の1日は六甲詣でをする予定。3月は有休も消化して(いっぱい残ってるし)ロードバイクにガッツリ乗りたい。

・Mt富士ヒルクライムが3月2日から申込開始。今回から抽選制になるのでとりあえず申込の予定。参加は当選してから考えてみます。
http://www.fujihc.jp/

・VIPERはクロモリロードだけどホイール交換の誘惑に負けそう。SHIMANOのWH-7850-C24-CLがいいかな。シマノのホイールは、静かに滑るように走るにはよさそう。フルクラムは賑やかだというし。
でもエンジン(自分)をもうちょい整備したらどやねん(いや、年だからムリか)、子供らの教育費に膨大なお金(高級ロードバイクが1台買える!)がいるやん
という趣味以外の人からの圧力を感じます(汗

まぁ今週末は天気みたいだからとりあえずロングライドしようか。

晴天なれどメンテナンス2009-02-07 20:12

だいぶ春めいてきました。うれしい。
午前中、家の用事を済ませ、いつもならロードバイクで発進する週末だが今日はVIPERの清掃・メンテナンスを午後からしました。

先月1000Km走り、VIPERの総走行距離も10,000Km以上となり、汚れなどがひどい。

油汚れを取り、水洗いする。ブレーキインナーワイヤーを交換することにした。
不器用なので、メンテナンス本などを参考にする。
ロードバイクトラブルシューティング―自転車メンテナンスのプロ直伝 (サイクルメンテナンスシリーズ (1))
この本は、私のような初心者にとって落とし穴になりがちなところがうまく説明されている。

清掃しているときガイドプレートの汚れを取るため、ガイドプレートを外すとうまく変速が効かなくなった(汗。何とか修正。

VIPERも様々な傷があり、コンポ部分も磨滅が進行していく。将来的にはコンポ部分も交換すればシャキシャキと走るのかなぁ。ロードバイクは金食い虫です(苦笑

ブレーキパッド交換、リアのタイヤ・チューブ交換(Continental GP4000s+EXTENZA軽量用)、ブレーキインナーワイヤー交換、洗車したので明日はロードバイクで走ろう。

ところで大学生の次男がこんな本を読んでいる。
クライミングJOY No.1 (別冊山と溪谷)

私もパラパラと眺めてみたが、クライミングもいいなぁ(自転車で手一杯だけど)。 次男は明日は六甲にトレイルランに行くらしい。

私も負けずに?ロードバイクに乗ろうっと。

向かい風の中、るり渓を走る。2009-02-08 22:16


今日はロードバイクで発進。でも昨日と異なり北西の強風。県道106号線を北上するが風が強い。



強風だが先月のような身を切る寒さはない。

R477と合流し例によって篠山街道を西進する。

このような切り通しの道が好きです。

軽くミニクライムしようということで、るり渓を目指す。南八田から県道453号線に入るが、るり渓に至るまでにけっこうな坂道。 るり渓への上りはつづら折れでそれほどの激坂ではない。

通天湖に到着。


R173まで走り、はらがたわトンネルに至る。

以前走ったときのような残雪もなく、心なしか春の芽吹きを山にも感じる。樹木が柔らかな表情に変わりつつある。

R173を北上し、左折して県道601号線に入る。



里山の中を快走する。

篭坊温泉を通過し、後川を西進。県道37号線(三田後川上線)を南下。羽束川のこの道は何度走っても気持ちがイイ。

林道めいた道を下り降りてくると前方に大船山(653.1m)の秀麗を望むことができる。



何度かこの山にも登ったが北摂は雑木林の静かな山が多い。

県道33号線を走り、自宅へと向かう。だが長尾山まで上るのはちょっとシンドイので切畑から県道329号線を下り、猪名川町、県道12号線と走る。

今日のコース
猪名川堤防道路ーR173ー県道12号線ー県道721号線ー知明湖周遊道路ー県道106号線ーひいらぎ峠ーR477ー篠山街道ー県道453号線ー県道54号線ーるり渓ーR173ー県道601号線ー篭坊温泉ー県道12号線ー篠山市後川ー県道37号線ー大坂峠ー県道33号線ー切畑ー県道329号線ー猪名川町ー県道12号線ーR173ー猪名川堤防道路

今日の走行距離【128.29】Km

・今日はそれほどのロングライドではないが、向かい風でかなりスタミナを奪われた感じ。ひさしぶりにしんどいなぁと感じました。

・るり渓への坂を上っていると、京都広河原から佐々里峠への上りがデジャブのように甦ってきた。いろいろな風景をリンクしていくのが自転車乗りの楽しみだ。

・里山も春への準備を始めている。羽束川沿いの田園地帯も野焼きの煙が至る所にたなびき、水田への入水も近いのだろうか。

・次男は今日は宝塚ー六甲山頂間の六甲縦走路をトレイルランしてきたそうだ。塩尾寺 の激坂で「走り降りていたら、シューズの底が焼けるかと思った!」ってオーバーでしょう。うむ、塩尾寺はクロスバイクで敗退しているので、ロードで再チャレンジしようか(次男と同じく妄想癖あり)。

旅する自転車2009-02-09 23:59

BE-PAL (ビーパル) 2009年 03月号 [雑誌]

今月号BE−PALの特集は「旅する自転車」。私は自転車乗りとして行き着く先はツーリストであり、ソロイストであると勝手に思っている。 でも重いツーリングバッグを装備したり、キャンプ道具一式などの重装備でツーリングするのはイヤだな。

旅する自転車の基本は「鉄」のフレームであること

ってBE−PALの特集では主張されているが、クロモリロードにこだわる必要はないだろう。アルミでもカーボンバイクでもイイ、要は飽きずに疲れず毎日100Km以上連続して走ることができる、自分の体型・好みに合ったロードバイクがよいのではないか。

最小限の荷物で気持ちよくツーリングしていくスタイルをとりたい。

他の記事では「サイクリング100名道」(記事では71までだが)が様々な自転車乗りとともに紹介されている。当然ながら、私の好きな北摂および京都の屋根コースは入っておりません(苦笑
短距離であったりロングライドであったり、自転車乗りによって長短が極端。

別途ミニ特集として2009年新作テントが紹介されている。
山岳用テントとしてアライのエアライズ2を持っているが、ドマドームライト2が発売される。「土間」があるテントだそうな。森で長期間逗留するにはよさそうなテントですね。

最近は金属ポールのないテントも発売されているんだ。

いろいろな物欲が出てくるがなぜかお金はない(爆ーあの我が家の収入はどこにいった・・・)


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