瀬尾まいこ「強運の持ち主」を読む2007-07-26 00:22

瀬尾まいこ「強運の持ち主」を読了。

OL稼業に嫌気をさして占い師に転職した女性が主人公。彼女の先生であるジュリエ青柳という占い師は「結局適当なことを言って、来た人の背中を押してあげるのが仕事なのよ」と「いかさまのようないかしたことを言う」人だ。

私は自分の人生は自分で切り開いていくもんだという,ちょっと傲慢なタイプの人間なので、占いをしてもらったことはない。
それに相談者は相談する前に「イエスかノー」かを決めちゃってるんだろうなぁと思ってしまうタイプ。

でもさすが小説、一筋縄ではいかない相談者が次々と現れてくる。
面白いのは人の「終わりが見えてしまう」という青年。でも、そのような能力を持っているのに占いを受けに来てるという摩訶不思議さ。

瀬尾ワールドはたびたび食事の場面が出てくる。格式張った料理店や贅沢をするレストランではなく、日常生活の中での食事の場面。鍋物だったり、社員食堂だったり、そしてそこでの会話のやりとりが魅力的なんですよね。

ちなみに何でも食べる人が私は好きだな。美味しそうに食べる人とのデートは楽しいもん。そういえば、偏食家の女性とは付き合ったことがない。

とちょっと脱線したが、この小説、ちょっと偏っているけど魅力的な人がいろいろ現れておもしろい。

ちなみに15,6年前、星占い・四柱推命・二黒土星、さまざまな占いを見ても「最高の年」と書かれていたことがあった。ワクワクしてその年を過ごしたが、なーんにも起こらなかった。過ぎてから友人に不満を述べると、「何も起こらなかった、つまり困ったことが何もなかったということが素晴らしいんでしょ」と訳知り顔で言われた。

そんなものかもしれないな。

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