映画「ハチミツとクローバー」を観る2006-08-22 22:02

人気コミックの映画化ということですが、コミックを読んだことはありません。
出演者の伊勢谷友介に興味があって、映画館に足を運びました。伊勢谷友介は、犬童一心監督作「金髪の草原」、中島監督作品「嫌われ松子の一生」などにも出演している。

美大に通う学生たちの自分の才能への自信と不安、片思い・叶わぬ恋、それを自分の青春と重ね合わせるまわりの大人達。文字通りの青春映画。

でも、青春映画ってなんでしょうね?理屈っぽくいうと、「自分を中心とした世界」から「まわりの人との調和」の世界に入っていく端境期を描くんじゃないでしょうか。コミュニケーションスキルなどというあざといモノではなく、自分の弱さをも見つめた上で、変わっていく過程じゃないかなぁ。

天賦の才を持つ花本はぐみ(蒼井優)を中心に、はぐみに不器用な恋心をもつ竹本(櫻井翔)、友人の真山(加瀬亮)、真山を愛し続ける山田あゆみ(関めぐみ)、そしてはぐみと天賦の才を持つ同士として惹かれあう森田(伊勢谷友介)が生き生きと描かれる。5人の個性が際だっていて(竹本の凡庸という性格も個性である!)、うん、こんな奴いたよなーと思ってしまう。

森田(伊勢谷友介)のじぶんの才能に対する自信と不安を、伊勢谷さんはまなざしや姿勢でうまく表現している。
竹本(櫻井翔)が、はぐみを支えられない自分のふがいなさに苛立って、ママチャリで海までひたすら走っていくシーンは「うんうん、わかるよー」って感じ。

やっぱり私も自転車で走りたくなりました(笑い)。

人は18才からそれほど変わらないのではないかというのが、私の推論です。社会から承認を受け(経済的に自立するということ)、異性から承認を受け(愛し愛されると言うことを体験すること)、自然から承認を受け(じぶんの身体性を大切にするということ)、私たちは青春ではない時代を生きていけるのではないかと思う。

だからこそ、このような端境期を描く映画を「過ぎ去った昔を懐かしむ」のではなく「自分の原点をかいま見る」契機として観るのかもしれませんね。

やっぱり大人になると理屈っぽくなっちゃう(苦笑)。

おじさんがこのような映画を観るにはちょっと抵抗がありましたが、敬愛するK先輩のように「乙女心」は喪いたくないものです。

最後に流れるSpitzの「魔法のコトバ」もイイ!

「ハチミツとクローバー」公式サイト

ハチミツとクローバー ―PHOTO MAKING BOOK


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